「ITインフラSummit 2018 夏」のソリューション講演に、マイクロフォーカスエンタープライズの梅根庸一氏が登壇。レガシーシステムとクラウドサービスなどが混在した“ごった煮”状態のITシステムを運用管理するノウハウを紹介した。

マイクロフォーカスエンタープライズ プリセールス本部本部長 梅根庸一 氏(撮影:海老名 進)

 マイクロフォーカスエンタープライズは、COBOL製品などで知られるマイクロフォーカスが、2017年秋に日本ヒューレット・パッカードのソフトウエア部門を買収してできた会社である。その影響もあって同社のITシステムは「複数のシステムが混在する“ごった煮”状態」(梅根氏)にある。

 同社のITシステムでは、オンプレミスとパブリッククラウドが混在しているほか、基幹システムを始めとする「SoR(記録のためのシステム)」と、新規事業などを支える「SoE(顧客とつながるためのシステム)」も混在している。それぞれ、運用管理のプロセスやノウハウも異なる。

 このような状況で、「IT部門に求められるのはバランス感覚だ」と梅根氏。具体的には(1)「推進」(手作業の自動化やクラウドへの移行)、(2)「制御」(ダッシュボードとドリルダウン検索による可視化と、トラブル発生箇所の特定)、(3)「ガバナンス」(予実管理、承認プロセス)、これら3つのバランスが重要という。

オンプレ/クラウドを共通に扱えるようにポータルを用意

 “ごった煮”の環境を管理する具体的な方策の1つとして同社は、運用管理のためのポータル画面を用意した。ITリソースの前段にポータルを1枚挟むことによって、オンプレミスやパブリッククラウドが混在した環境を共通のトポロジーで見られるようにしている。

 ポータル画面を介した運用管理を梅根氏は「エンドツーエンドのITプロセス自動化」と呼んでおり、「ボタン1つでいろいろできる」(梅根氏)という。その裏では、シェルスクリプトを起動したり、SSHでログインしたり、構成管理ツールのAnsibleを用いてサーバーを配備したり、各種の外部APIを利用したりしている。

 ポータルからは、課金状態も管理できる。「現在どれくらいのITリソースを消費していて、予算内であとどれだけ使えるのか」といったことが分かる。AWSなどのパブリッククラウドについては、APIやコマンド経由で必要な情報を取得している。

 サーバーをセルフサービスで調達する機能にも注力している。オンプレミスとパブリッククラウドを意識することなく、必要なリソースをポータル経由で調達できる。オンプレミス、パブリッククラウド、プライベートクラウド(OpenStackなど)、Dockerコンテナ、といった違いを意識せずに、必要なリソースを配備できる。

 運用監視では、「システムが停止しているかどうか」という観点ではなく、エンドユーザー視点でのサービスの使い勝手(問い合わせ対する反応時間)を監視し、その結果を集計して表示している。ユーザーがよく行うWeb操作をレコーディングしてロボット化し、これを繰り返し実行させてレスポンスを調べたり、エラー画面に遷移することがないかを調べたりしている。