「ITインフラSummit 2018夏」のソリューション講演に、日本ヒューレット・パッカードの川端真氏が登壇。「日本ではまだあまり知られていないが、今後、確実に注目される」という最新ストレージ製品の動向も含め、デジタルトランスフォーメーション時代に求められるストレージ戦略のあり方を解説した。

日本ヒューレット・パッカード データプラットフォーム技術本部 本部長 川端 真氏(撮影:海老名 進)

 「いまデジタルトランスフォーメーションを推進している企業は、明確に2つの行動をとっている」と川端氏は指摘する。1つはパブリッククラウドの活用、もう1つがオンプレミスのシステムをあたかもクラウドのように運用する取り組みだ。これらの取り組みによって、急激に変化するビジネス環境に迅速かつ柔軟に対応できる体制を整えているのだという。

 この動きを見据えて、ヒューレット・パッカード エンタープライズ(HPE)が注力しているのが、「Predictive(予測)」「Cloud Ready(クラウド対応)」「Timeless(永続性)」の追求である。

 1番めの「Predictive(予測)」に関する具体的な取り組みとして同氏は、「InfoSight(インフォサイト)」を挙げた。これは、HPEが買収したNimble Storageの独自技術で、ストレージ機器のデータを収集し、AIで分析してトラブルを予測、事前に対処するものだ。

 同氏によれば、InfoSightの効果は非常に高く、「現実に、データの消失は世界中で1件も起きていない」という。同社は今後、InfoSightの仕組みを、旧Nimble製品以外にも拡大していく計画だ。

 2番めの「Cloud Ready(クラウド対応)」のために同社が力を入れているのが、「クラウドのように簡単に運用できるオンプレミスシステム」の実現だ。その中核となる製品が、「HPE Synergy」である。

 同製品では、サーバ、ストレージ、ネットワークを1つの筐体に収め、パブリッククラウドのように運用できるようにしている。また、VMware Cloud FoundationやAzure Stackを組み込んで、AWSやAzureベースのハイブリッドクラウドを構築することも可能である。

QumuloやWeka.IOなど、今後注目のストレージも紹介

 ここで川端氏が強調したのが、ストレージを適材適所で選択することの重要性だ。クラウドのように運用できるオンプレミスシステムを構築できても、データを保存するストレージが適切でなければ、システム全体として期待通りの効果を上げることはできないからだ。

 「ブロックストレージが必要であれば、HPE NimbleとHPE 3PAR。AIを活用するならWeka.IO(ウェカアイオー)をお薦めする。安いストレージならSCALITY、拡張性を重視するならQumulo(キュムロ)がある」(川端氏)

 なかでも川端氏の"一押し"は、QumuloとWeka.IOである。Qumuloは、スケールアウトNASとして有名なアイシロン(2010年にEMCに買収された)の設立メンバーが立ち上げたストレージベンダーだ。「AIやIoTの技術の進化により、世界のデータ量は2020年に44ZB(ゼタバイト)、2025年には163ZBになると予測されている。それを見越して設立されたのがQumuloだ」(同氏)。

 一方のWeka.IOは、機械学習向けのストレージである。GPUに大量のデータを送り込み、GPUを遊ばせることなく有効活用できる。Qumulo、Weka.IOともに日本ではまだあまり知られていないが、「今後は確実に注目されるはず」(川端氏)という。

 川端氏はこのほか、デジタルトランスフォーメーションに向けて同社が注力・展開する製品群として、AWSやAzureのそばにNimble Storageを置き、必要なデータだけをレプリケーションすることでクラウドの課金を抑える「HPE Cloud Volume」、オンプレミスの環境を月額制で提供する「HPE GreenLake」なども披露した。