「ITインフラSummit 2018 夏」の特別講演に、サントリーグループのITシステムを担うサントリーシステムテクノロジーから、石橋浩平氏が登壇。ストレージをオールフラッシュに入れ替えて大幅なコスト削減を実現した経緯を明かした。

サントリーシステムテクノロジー 基盤サービス部主任 石橋浩平氏(撮影:海老名 進)

 移行前のストレージシステムはNASと、3階層のSANストレージ(ローエンド、ミッドレンジ、ハイエンド)で構成していた。約850台の仮想サーバーが、これらのストレージ(約110Tバイト)にアクセスしていた。

 ストレージ機器は、4年間のリース契約が切れたタイミングで順次入れ替えてきた。2017年以降は、SANストレージを米PureStorageのオールフラッシュストレージで置き換えていき、2018年の段階で、ほぼすべてがPureStorageになっている。

 オールフラッシュの導入効果として石橋氏は、ストレージ費用を65%削減できたことを挙げる。設置スペースは5ラックから13Uに、消費電力は24.2kVAから2.3kVAにと、いずれも大幅に減った。データ量は重複排除によって70%減。運用にかかる作業は、1年で700時間分減ったとしている。

 バッチ処理時間は全体で約10%の減。営業支援システムの場合、7500分かかっていた処理が6000分で済むようになった。SQLデータベースの処理は、SELECTのようにサーバーのメモリー上で動く処理は変わらないものの、「特にINSERTが高速になった」(石橋氏)。

4社のストレージを借り、PoCで性能検証

 移行計画を立てた当時、同社は2つの課題を抱えていた。1つは、年々、性能が向上し、容量単価が下がる中で、SANストレージを階層化する意味が薄くなっていたことだ。もう1つは、きょう体を新機種に移行する作業に年間700~1500時間も費やしていたことである。

 これらの解決策として同社はオールフラッシュ化を計画し、ベンダー4社にRFP(提案依頼書)を出した。この4社から実機を借り、PoC(概念実証)を実施した。検証項目は、「実データを使ったバッチ処理時間」「I/O負荷ツールを使った限界性能」「機器障害を想定した検証」の3つである。

 PoCの結果、バッチ処理時間では、4社に差は付かなかった。障害検証についても、4社共に問題なかった。一方で、性能限界については、上位2社と下位2社でかい離が大きかっただけ、PureStorage(2位)を含む上位2社に候補を絞った。

 最終的には、コントローラー(ヘッド)を無償で最新版と交換できる点を評価し、PureStorageを採用した。「データをシェルフに保存したまま、データを新モデルに移行する必要もなく、コントローラーだけを新型に交換できる」(石橋氏)。

 加えて、クラウドにデータを移行してオンプレミスの容量が減った際には、減った分の保守料を安くする仕組みがあったことも、評価した。石橋氏によれば、「任意のタイミングで、使っていないデータシェルフをオンラインで切り離せる。切り離した後は、切り離したぶんの保守費は不要」という。