読者がサラリーパーソンだとしたら、所属している企業内を見渡すとプレゼンテーションや商談上手な人が何人かはいるだろう。そうした人のスキルは、ほとんどが自己流である。そもそも企業内には「経理」や「総務」といった専門部署はあっても、企画書やプレゼン用スライド作成を一手に引き受けてくれる部署はない。必要に迫られ、知識やスキルが無いなか、見よう見まねで企画書やスライドを作成しているのが実情だろう。場当たり的な方法では、うまくいくとは限らない。

 特に、プレゼン用のスライドは企画書ほど歴史がないため「何がスタンダードでどう作るのがベターなのか」が分かりにくいものだ。その結果、同僚などが作成した「デキのよさそうなスライド」を拝借し、それをひな形としてカスタマイズしながら乗り切る方法が一般的になっている。この方法はスジが悪くなさそうだが、同じスライドを使ってもプレゼンテーションの達人と慣れていない人では伝わり方が大きく異なるし、そもそも流用するスライドのひな形が今回プレゼンする内容に適合していないケースもある。

 営業経験者には釈迦に説法だが、プレゼンの良しあしは重要な商談の成否を左右する。つまりパソコンを使う重要な作業の一つがスライド作成であり、そこに力を注がないのは非常にナンセンスだ。

 本コラムの主要読者である情報システム部門の担当者や業務部門のITリーダーは、IT機器の導入や利活用の推進には長けているが、スライド作りのノウハウは持ち合わせていないかもしれない。だが、企業内にプレゼンの専門家がいない以上、PowerPointなどのソフトの扱いを苦にしないキーマンがスライド作りのノウハウを身につけ社内に周知する役目を担うほかない。企業全体の営業力を底上げするためにも、プレゼン用スライドのスタンダードを理解しておくべきだ。

 筆者は、ヒット商品のプレゼンや企画書を取材してまとめた書籍を多数執筆しており、ノウハウを熟知している。結論から先に言うと、「大成功したスライド=スタンダード」では決してない。ウルトラCのようなスライドを“虎の巻”として後生大事に使いまわすのではなく、まずはベーシックなスライドの作り方を理解するのが得策だ。

【ベーシックなスライドの作り方】

●ポイント1
商談時間からスライド枚数を割り出す
●ポイント2
スライドに内容を割り振る
●ポイント3
テンプレートを作成する

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