凸版印刷は2018年11月19日、「トッパンIoT建材」事業に着手すると発表した。建装材とIoT(インターネット・オブ・シングズ)を組み合わせた建装材を提供し、見守りや健康管理などに利用してもらう。同事業の第1弾製品として、床材と圧力センサーを組み合わせて位置の検出を可能にした「ロケーションフロア」を開発した。12月から販売を開始する。

 ロケーションフロアは位置情報を測定するセンサーと通信機能が一体化した床材である。人が床材を踏んだ際の圧力を利用して発電するため配線工事は不要で、通常の床材と同様の施工ができる。床材には1枚ずつ一意のIDが割り振られている。人が床材を踏んだ際に、IDの情報をBLE(Bluetooth Low Energy)で宅内のゲートウエイ装置に送信、そこからクラウド側のサーバーに送られる。送られてきたIDから、どの床材が踏まれたかが分かるため、床を歩くだけで位置を把握できる。

「ロケーションフロア」のデモの様子
近くにあるタブレット端末に、どの床材が踏まれたかを表示する
[画像のクリックで拡大表示]
ロケーションフロアの構造
[画像のクリックで拡大表示]

 価格は一般的な高齢者向けマンション(自立型)の脱衣場とトイレ(約1.5坪)に対して施工した場合で約25万円から。システム構築費などは別途見積もりとなる。

 トッパンIoT建材は単体ではなく、関連サービスと一緒に提供していく。まず一人暮らしの高齢者住宅向けに見守りサービスを12月に開始する。トイレや風呂場まわりにロケーションフロアを設置し、「トイレ、脱衣場などに滞在し、一定時間反応がない」など異常と考えられる状態を登録者に通知する。

 他のセンサーと連動した健康状態の見守りサービスや、カメラを使わず侵入検知ができるセキュリティシステムのサービス、動線を可視化することによるマーケティングサービスも検討中だ。

 同日開催した発表会で、生活・産業事業本部 ビジネスイノベーションセンター マーケティング部の藤川君夫課長はロケーションフロアの特徴を3点挙げた。(1)カメラや赤外線センサーに比べ居住者にストレスを感じさせない、(2)居住者の生活を見守るシステムの構築も手がける、(3)給電不要で後付け施工も可能――といった点だ。

 「当社は建装材製造、空間プロデュースに加え、情報加工のソリューションにも取り組んでいる。それらのノウハウを掛け合わせてトッパンIoT建材を作っていく」(藤川課長)と説明した。トッパンIoT建材の第2弾以降のラインアップとして、床に埋め込んだ体重計や、必要な情報が浮き出して情報パネルのような役割を果たす壁を予定している。

凸版印刷 生活・産業事業本部 ビジネスイノベーションセンター マーケティング部の藤川君夫課長
[画像のクリックで拡大表示]