「なんとなく動作がおかしい」から「起動できない」まで、Windowsのトラブルはさまざま。原因が分からないことも多く、最悪の場合は内蔵ディスクの入れ替えやWindowsの再インストールが必要になる。作り上げた環境を守るには、バックアップするしかない。

Windowsが正常な間に「復元ポイント」でバックアップ
文書作成でもゲームでも、「ここまでは大丈夫」という時点で保存することで、トラブルが起こっても保存した時点まで戻ることができる。Windowsでも同じように、そうした“セーブポイント”を作れる。
復元ポイントは自動作成
Windowsはさまざまな原因で不調に陥る。アプリケーションや周辺機器の追加、Windows Update、ウイルスの感染など、原因がはっきりしているものもあれば、理由が分からないまま調子が悪くなることもある。そんなときに、正常な状態で保存しておいた「復元ポイント▼」があれば、その時点のWindowsに戻せる。
復元ポイントを使うメリットは、作成済みのデータなどは消さずに、Windowsのシステムだけを復元ポイントの時点まで戻せることだ。復元ポイント作成後にインストールしたアプリケーションは再インストールが必要になるなど、全てが元通りになるわけではない。しかし、復元ポイントがないと購入時の環境まで戻る可能性もあるので、作っておいて損はない。
復元ポイントの作成は、Windows Updateなど、大きな変更がある時点で自動的に行われるのだが、「システムの保護」機能が無効だと作成されない。設定を確認し、有効にしておこう(図1、図2)。図2の右で指定した容量に達すると古い復元ポイントから削除されていってしまう。指定する容量は小さ過ぎないよう注意しよう。
●「復元ポイント」を作成
自動作成は定期的に行われるわけではないので、正常に動いている時点で復元ポイントを手動で作成しておくと安心だ(図3)。復元ポイントは履歴として残り、どのポイントに戻るかを指定できるので、気が付いたときに作成しておくとよい。
ポイントを選んで復元を実行
Windowsの調子がどうもおかしい。そう思ったら、復元ポイントの出番だ。とはいえ、復元が100%うまくいくとは限らないので、復元の前に重要なデータをバックアップするのも忘れてはいけない。
設定画面で「システムの復元」を選ぶと、保存されている復元ポイントがリストアップされる(図4、図5)。戻りたい時点の復元ポイントを選んで実行しよう。
システムの復元は、Windowsが起動する状態でないと意味がない。起動できないときのために、次ページで説明する「システムイメージ」も作成しておけば、Windowsのバックアップは完璧だ。
Windowsのシステムファイルやレジストリに変更が加わったタイミングなどで、それぞれの時点でのシステム状態を保存しておく機能のこと。
Windowsの調子が悪いのに「復元ポイント」などのバックアップがない。そんなときも諦めることはない。パソコンが起動するなら、最近追加した周辺機器やアプリケーションを削除してみよう。Windows Updateも更新前に戻せる(図A)。ただし、重要な更新は再度アップデートを試みる必要がある。
それでも復旧できないなら、2017年秋の「Windows 10 Fall Creators Update」で登場した「新たに開始」という“奥の手”がある(図B)。ユーザーデータはほぼそのまま、Windowsを再インストールする機能だ。自分で追加したアプリケーションやドライバーソフトなどは削除されるが、インストールメディアを使わずにクリーンインストールするのと同様の効果がある。