クラウドベンダー各社は今、オンプレミス(自社所有)環境をクラウドコンピューティングに移行する際に受け皿となるサービスの拡充を急いでいる。「Amazon Web Services(AWS)」や「Microsoft Azure」のようなグローバルに展開する超大規模サービスに加え、基幹系システムの受け皿に特化した伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)の「CUVICmc2」や、NTTコミュニケーションズの「Enterprise Cloud」など、様々なクラウドベンダーがこの分野に一斉に注目し始めた。

 特に各クラウドサービスが獲得に注力しているのが、欧州SAPのERP(統合基幹業務システム)パッケージで構築した基幹系システムだ。SAP ERPは2025年で標準サポートが終了する。2025年以降、SAPのERPパッケージを利用し続けるには、後継製品である「S/4HANA」に移行することになる。後継製品とはいえ、S/4HANAは別製品であり、また動作データベース(DB)もSAPのインメモリープラットフォーム「HANA」のみになるなど、ユーザー企業にとって負担は大きい。

 SAP ERPと並んでクラウドベンダーが獲得を目指すのが、ヴイエムウェアの仮想化ソフト「VMware vSphere」上に構築されたシステムだ。ユーザーが独自に組み上げた基幹系システムもあれば、SAP ERPの周辺システムなどもある。

VMwareで周辺システムもそのまま移行

 「基幹系システムをオンプレミスからクラウドに移行する場合、OSやミドルウエアをなるべく変更せずに済ませたいというユーザー企業は多い」と日本IBMの澤藤佳実 グローバル・テクノロジー・サービス事業インフラストラクチャーサービス事業統括 戦略ビジネス&先進テクノロジー・サービス部長は話す。

 こうした要望を満たそうと今、クラウドベンダー各社が注力しているのが、VMware vSphere上で動いているシステムをそのまま移行できる環境の準備だ。

 「日本企業ではVMwareの導入が進んでおり、VMware上で稼働するシステムの移行ニーズが高い」とNTTコミュニケーションズの稲穂敬夫 クラウドサービス部販売推進部門担当課長は話す。クラウドベンダー各社は、オンプレミス環境でVMwareを利用して仮想化された環境で稼働しているシステムをクラウドでもそのまま利用できるサービスを用意する

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