IFRS適用に伴う「システム見直し」の勘所とは

 グローバルにビジネスを展開する企業にとって、海外拠点の経営情報を迅速に把握することの重要性は計り知れない。それによって、企業全体を見渡した最適な意思決定を行い、ビジネスを成功させることができるからだ。

 しかし、その実現は簡単なことではない。例えば会計処理1つをとっても、各国が定める基準やルールによって、勘定科目体系などにも少なからぬ差異が見られる。そのため、多くの国にビジネス展開する企業ほど、各拠点のコスト構造などを適正に比較・検討することが難しく、グループ全体の戦略に反映することもままならない状態となりやすい。

 そうした問題を解消する方法の1つとして、「IFRS(国際財務報告基準)」をグループ内各社に適用する企業は多い。各国拠点のビジネス状況をグローバルで統一された会計基準で把握し、適正な判断を下しやすくしようという狙いだ。日本でも、2010年3月期から一定の条件を満たす企業に対して「任意適用」が認められたのを機に、適用企業は増え続けている。

 IFRS適用に向けた取り組みを進めていくには、企業の本社や各国拠点が運用している既存システムの見直しも重要となる。これまで国別の基準やルールに沿った個別のシステムで処理していたものを、グローバルで統一された仕組みに変えることで、IFRSの導入を円滑化し、会計基準統一の効果をさらに高めることができるからだ。

 では、IFRS適用に伴うシステムの見直しでは、どのような注意が必要となるのか。次のページからは、国内外に22社のグループ企業を展開する製造業での取り組みをもとに、そのポイントを考えていく。

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