新しい働き方に即したコミュニケーション環境が必要に

【日経BP総研・桔梗原 富夫が見る、この事例のポイント】
ビジネスの最重要コミュニケーション手段の1つでありながら、働き方改革の取り組みにおいて、ともすると見過ごされがちなのが「音声コミュニケーション」です。ここで紹介する會澤高圧コンクリート様の取り組みは、音声コミュニケーションの重要性に着目してインフラ刷新を断行し、大きな成果につなげようとしている好例といえるでしょう。

 ビル、道路、橋からダムまで、ありとあらゆる構造物に使われる「コンクリート」。この領域で、他社が真似できない独創的かつ高品質な製品の開発を行っているのが會澤高圧コンクリートだ。

 例えば、硬化時間を自在に制御できる高機能・高耐久コンクリート(pMp)や、微生物を配合することでクラック(ひび割れ)を自己治癒してしまうコンクリートなどの同社製品は、土木・建設業界をはじめとする世界中の顧客から大きな注目を集めている。

 そんな「コンクリートマテリアルのプロ集団」である同社は近年、技術力のさらなる向上、および人材減少に対応するため、生産プロセスの省人化・無人化を図っており、先進ITの活用も進めている。取り組みの一環として、2018年には医療系AIを開発するシステムアーツ社をグループに統合。旧・情報システム部門を「データ戦略室」へ再編するとともに、同社最大の拠点である札幌支社も移転リニューアル。このデータ戦略室や技術開発関連部門などを同一拠点に配置したことにより、データ分析に基づく洞察や、創業以来80年以上蓄積してきた知見・ノウハウを惜しみなく製品開発に注ぎ込める体制を構築したのである。

 また、同時期に取り組みをスタートしたのが「働き方改革」だ。ITツールを活用し、部署を横断した社員のコミュニケーションや顧客・パートナーとのプロジェクトでのコラボレーションの活性化を図った。また、ITツールの導入だけでなく、札幌支社の新オフィスには「社員が活動に応じて最適な働き場所を選ぶ」というコンセプトに基づいたワークスペースも新設し、一層の競争力強化を目指している。

札幌支社の新たなワークスペース
札幌支社の新たなワークスペース

 社員がいつでも、気軽に集まって打ち合わせやディスカッションを行えるスペースを設置。業務上のコラボレーション強化につなげている。

 一方、働き方改革の取り組みを進めていく中で、これまで固定電話と携帯電話をベースに行ってきた「音声通話」の領域で、働き方の変化にともなう課題が表出。「外線電話の折り返しの手間」「2台持ちによるコスト増加・管理の煩雑化」といった状況が問題になった。

 そこで會澤高圧コンクリートが選んだ方法は、どのようなものだったのか。次ページ以降で見ていこう。

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