資料の紹介
電源も電池もなく、自然界のエネルギーだけで電子回路を動かすエネルギーハーベスティング技術を採用した無電源ワイヤレスセンサーが普及し始めている。例えば、RFIDタグがその好例だ。これらのデバイスは外部からの高周波電波を受け、それを電源として電子回路を動かす。しかしタグに水滴がついたり金属片が近づいたりすると性能が落ちてしまう、弱点がある。
その原因は、アンテナのインピーダンスが変わり、電波を受信しにくくなるからだ。アンテナはコイルとコンデンサで構成される共振器である。受信する電波を共振器で増幅する。そこで性能低下への対策として、アンテナのインピーダンスが変わるとそれに従ってコンデンサの値を変え、インピーダンスの変化に対応するという方法がある。
本資料は、アンテナのインピーダンスに合わせて、コンデンサの値を変え性能の低下を抑える技術とその技術を利用した無電源ワイヤレスセンサーについて説明している。インピーダンスに影響を与える要因として湿度や水滴の例について解説しているが、この技術は各種のガスセンサーとしても使える。また金属の接近によっても同様なことが起きるため、ミクロン単位の微小な動きを検出するセンサーにも使えるとしている。