資料の紹介
現在主流のパワートランジスタであるIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)は、これまで高電圧、大電流、あるいは高速化の方向に進んできた。そしてIGBTはデバイスおよびプロセスのパラメータを調整することで、スイッチング速度やソフトネス性と制御性、導通損失、短絡耐量とパルス電流耐量を幅広く調整できるため、様々な案件に対応できるようになった。この点、MOSFETやバイポーラトランジスタとは違う。
本資料は、IGBT構造の変遷を解説したあと、応用機器ごとにIGBTに適した回路構成を解説している。応用例として取り上げたのは、溶接用のインバーターとIHクッキングヒータシステムのハーフブリッジ、UPS(無停電電源)とソーラーシステム、モーター駆動向けのハーフブリッジ、マルチ電圧レベルのハーフブリッジコンバーターなどである。これらの応用機器に関する特性と課題についても述べており、機器を設計するうえで注意すべきことが明確になる。