静岡県で長年スズキの車体部品を製造してきた杉本金属工業は、大型から小型までのプレス機を備え、自動車部品や家電部品を製造する。自動車分野では現在、環境対策に向けて車体を軽量化しつつ強度を保つため、ハイテン材(高張力鋼材)の採用が進んでいる。但し、ハイテン材の加工は難しく、大型の設備も必要になる。杉本金属工業は大型プレス機を備え、440キロ級~980キロ級のハイテン材の加工に力を入れており、安定的な量産技術をベースとする多数の加工実績を有する。同社はこのほかにも、異種鋼板をつなぎ合わせることで一つの素材の部分的な特性を変えられるテーラーブランク溶接材を用いたプレス加工技術を持つ。

杉本金属工業は、2800tロボットプレスライン、1300tロボットプレスライン、2500tトランスファープレスラインを備えているほか、250tブランキング、300tのトランスファープレス、溶接ロボット等の設備も持つ。

同社が次に狙っているのが自動車部品以外の新分野への進出だ。現在製造している売上比5%の家電向け製品に次いで同社が有望視しているのが、システムキッチン向けの部品である。「システムキッチンにはステンレスが使用され、鉄材が使われているようには見えないが、土台部分に固定する止め金に鉄材が使用されている」(杉本金属工業)。同社はこのほか、鉄道業界にも営業活動を展開している。

杉本金属工業が得意とするのはハイテン材の金属プレス加工である。アルミやステンレスのプレス加工の経験はまだないが、過去の経験や前例にとらわれず、様々な素材、様々な分野への挑戦を続けていく。

2800t ロボットプレスライン