静岡県の中堅企業である榛葉鉄工所(掛川市)は、自動二輪車のチタン製マフラーで培った技術をベースに難加工材を含むパイプ加工の顧客開拓に注力する。同社代表取締役社長の榛葉貴博氏は「当社は板金やプレス、溶接、パイプ加工といった技術を持っている(動画)。構造解析シミュレーションでパイプ等の構造物の応力解析も可能だ。その解析結果に基づき、構造の改良提案も行う。扱える材料はチタンやマグネシウム、アルミニウム、ステンレス、鉄など幅広い。試作だけでなく量産にも対応でき、加工技術のワンストップショップを目指す」としている。

榛葉鉄工所は長年、スズキや川崎重工業などの大手自動二輪メーカーにチタン製マフラーを供給してきた。これら顧客の海外移転に伴って海外へも進出、タイに製造工場を持つ。東南アジアにおける大手自動二輪メーカーの生産拡大に伴い、業績を順調に伸ばしてきた。その一方で国内では、マフラー以外の新製品の市場開拓に取り組む。同社はこれまで、チタン製フレームを使った競技用ハンドバイク(手漕ぎ自転車)、手術器具であるステンレス製鉗子、マグネシウムを利用したパワーアシストスーツのフレーム等を製作してきた。

榛葉鉄工所は日本の自動車産業を支える中堅企業の1社である。他の中堅企業同様、大手メーカーの厳しい要求に応える高い技術を備えている。しかしこうした中堅企業はこれまで下請けとして事業を展開してきたため、自社の技術を展開するマーケティングやアプリケーションの知識に乏しい。そうした状況の中で新規事業を開拓するため、自社の技術を活用してくれるパートナー企業を求めている。