樹脂を積層造形する3Dプリンターと、形成されたものの表面を滑らかに加工できるマシニングセンターを複合させたハイブリッド3Dプリンター「3D5X-α」を、榎本工業(静岡県浜松市)が開発した。同装置は5軸制御のマシニングセンターの切削機能と、FDM(熱溶解積層)型3Dプリンターのヘッドを備えた製品である。このため3D5X-αは、切削用スピンドルとプリンターのヘッドをX軸、Y軸の方向に移動させると同時に、造形用テーブル(ステージ)はZ軸方向の移動と同時に、B軸(ステージの載置面に対して平行な方向)方向の傾斜及びC軸(ステージの載置面に対して垂直な方向)方向の回転機構を合わせ持ち、それによって積層方向を縦横斜めと自由自在に変えることができる。

榎本工業は中堅企業で、1901年に銑鉄鋳物業として創業した会社である。1970年代に創業の鋳物事業から撤退し、省人化設備事業に転換した。売上高は15.4億円(2015年度)従業員数98人(2016年5月)である。主力製品は顧客の要求に合わせカスタマイズした組み立て装置、検査装置である。市販製品にはマシニングセンターなどの切削加工機がある。「切削加工機も大手企業と競合する領域を避け、大手企業が手の出し難いニッチな小型機分野に特化している」と、榎本工業で装置開発を担当する開発部長の川村健広氏は言う。今回開発したハイブリッド3Dプリンター3D5X-αも、そうした同社の戦略上の製品と言えよう。

ハイブリッド3Dプリンタ「3D5X-α」
ハイブリッド3Dプリンタ「3D5X-α」
いろいろな方向に積層・加工が可能
いろいろな方向に積層・加工が可能