給食業務受託サービスを手掛けるウェルビーフードシステム(静岡市)が、高齢者の身体機能回復につながる介護食品の開発に力を入れている。静岡県の地域食材の健康機能性と、同社の介護食開発技術を組み合わせ、「機能性介護食」の事業化を進める。介護政策が、介助中心から自立支援へとシフトする中、高齢者の機能回復を促す食品に需要があると判断した。
「静岡県民の健康寿命は、女性が2位、男性が3位と全国トップレベル(2015年厚生労働科学研究)となっている。背景の一つが、緑茶や温州ミカン、水産資源など、健康機能性の高い食材が豊富にあること。これらの機能性素材に着目し、介護食への展開を図っていく」。

カギとなるのが、同社が2010年に開発した高齢者向け「ソフト食」の特殊調理技術。見た目が通常食に近く、かつ飲み込みやすい介護食を可能にし、食品の飲み込みが困難な高齢者をケアする高齢者施設や医療機関から評価を得ている。
「これまで提供されてきたペースト食は、誤嚥のリスクがあり、見た目が悪いので食欲がわかず、身体機能の低下につながる懸念があった。ソフト食は、適度な粘度があり見た目を維持しやすい、べたつかずのど越しが良い、といった特徴がある。高齢者のQOL低下を防ぎながら、機能回復を支援することができる」(ウェルビーフードシステム専務取締役川口尚宜氏)。
とろみ剤や調味料、水分などの配合量を調整することで、高齢者の状態に応じたソフト食を提供する。例えば、同じ野菜でも、季節によって水分量が異なるので、現場のスタッフが状態に応じて最適な硬さに調整していく。こうしたノウハウを集合研修などを通じて共有することで、現在では、ほとんどの食事をソフト食化できるという。

ウェルビーソフト食と常食比較
ウェルビーソフト食と常食比較