余材廃材を利用した「スチームパンク(*)」の世界観を取り入れたアクセサリーをマーケティング・ツールに使い、80件もの新規案件の引き合いに結びついた可能性も少なくない。静岡県三島市に本社を置く三光ダイカスト工業所である。同社代表取締役社長の三宅ゆかり氏は「スチームパンクのアクセサリーがいろいろなメディアに取り上げられ、三光ダイカスト工業所のネームバリューを高めた。スチームパンクのアクセサリーを製品化して以降、展示会でも多くの人がブースを訪れる。新卒の応募にもつながった」と、スチームパンク効果を強調する。

三光ダイカスト工業所はアルミ・亜鉛のダイカスト部品メーカーである。設立は1964年。亜鉛を使った二輪車向けキー部品の製造からスタートした。当時、ダイカスト技術は普及しておらず、顧客は技術力を評価して高値で取引してくれた。事業はすぐに軌道に乗った。現在の主力製品は自動車向けのエンジン部品やドアミラー部品、エアコン関連部品などである。同社売上全体の約8割を自動車部品が占める。従業員数は124人で、三島市内に2工場、宮城県に1工場を持つ。顧客には大手自動車部品メーカーが名を連ねる。

(*)スチームパンク(Steampunk)とは1980年代の蒸気機関による産業革命期の時代背景に、SFを融合させた世界観のアートやファッションのジャンル。蒸気機関や歯車、ネジなどのアイテムを中心にアクセサリーや家具として楽しまれている。スタジオジブリ制作の「ハウルの動く城」のイメージである。

アクセサリー(左)と車の展示(右)
アクセサリー(左)と車の展示(右)