日本から生まれた健康美容素材が世界中に広がっていることは、あまり知られていない。例えば、コラーゲンは、中国、台湾、韓国などの東アジアだけではなく、最近ではタイ、マレーシア、インドなど東南アジア、南アジアにまで美肌成分としての市場が広がりつつある。肌そのものを健康で美しく保つという「美肌」という概念は、日本女性の間では当たり前の美容習慣になっているが、実は日本発の生活文化で、この美肌文化とともにコラーゲン、ヒアルロン酸などの健康美容素材はアジア全域に広がった。プロテオグリカンについても、コラーゲン、ヒアルロン酸に続く第3の美肌成分として成長していく可能性がある。

「あおもりPGを国内だけではなく、世界市場に向けてプロモートしていきたい」と意気込むのが、あおもりPG推進協議会の櫛引利貞会長だ。櫛引会長は、海外展開プロジェクト実行委員会を立ち上げ、昨年12月には、台湾でバイヤー向けの商談会を実施した。国や青森県もこうした動きを支援している。昨年6月、あおもりPGは、経済産業省の「JAPANブランド育成支援事業」に採択され、認証マークを米国や中国、台湾、韓国、シンガポールなど9カ国・地域で商標登録した。

あおもりPGの世界展開の最初の足掛かり、ターゲットとなる地域は台湾だ。

「台湾は、青森りんごの輸出を通じて、歴史的に青森との結び付きが強く、青森ブランドも浸透している。台北と青森を直接結ぶ直行便(台湾・エバー航空)も週5便に増便され、台湾からのインバウンド客を対象にした様々なプログラムが動き始めています」とあおもりPG推進協議会の佐藤雅秀事務局長も期待をにじませる。

中国系の訪日観光客数は、日本全体で年間1000万人以上に達しているが、そのうちの410万人は台湾人である。台湾では10人に1人が日本に来たことがあり、また、その8割はリピーターになっている。複数回訪日していることから、東京、大阪、静岡(富士山)といった定番観光だけではなく、地方にも足を運んでいるのが特徴だ。

2018年に青森県は、東北の中で最も多くインバウンド客を集客した県だったが、そのうち台湾が、36.23%でトップ、次いで中国からが19.7%となっている(訪日外国人消費動向調査2018年調べ)。既に台湾からのインバンド客が大きく貢献していることがわかる。

和食や日本酒が海外でブームになったのも訪日観光がきっかけになったといわれている。日本に訪れた際の食体験が、海外での継続的な需要に繋がっていくからだ。
「台湾、中国に高級品として輸出されていた青森・弘前のリンゴを通じて青森ブランドは、台湾、中国でも高い認知度を持っています。これから青森を訪れる台湾、中国の方々に『あおもりPG』を体験する機会を提供し、PGのファンになっていただき、越境ECや製品の輸出につなげたい」(あおもりPG推進協議会・佐藤事務局長)。

あおもりPG推進協議会は、青森県の支援を受けて、今年の9月、「あおもりPG美人紀行」という動画コンテンツを制作し、YouTube を通じて配信している。

これは、台湾で人気の料理教室(ABCクッキング・スタジオ台湾)の女性スタッフ2名を青森県に招き、青森観光とあおもりPGの製品体験の模様を動画コンテンツに制作したもの。あおもりPGを配合した化粧品やスイーツを試し、青森、弘前の事業者や飲食店を巡り、直接意見を交わした。その模様を「あおもりPG美人紀行」としてYouTube やSNSで配信した。動画だけでなく、あおもりPGを「美人紀行」というコンセプトのもと、地域の関連商品やサービスを組み合わせて提供していくことが求められている。

あおもりPG推進協議会 佐藤雅秀事務局長
あおもりPG推進協議会 佐藤雅秀事務局長