連続起業家(シリアルアントレプレナー)として知られ、AI(人工知能)やDX(デジタルトランスフォーメーション)事業を手掛けるシナモン代表取締役社長CEOの平野未来氏が、2021年10月11日からオンラインで開催される「日経クロステック EXPO 2021」に登壇する。

シナモンのベトナム拠点
シナモンは平野氏が2012年、ベトナムに置いた開発拠点が中核となっている(出所:シナモン)

 平野氏は東京大学出身。大学院でレコメンデーションエンジン、複雑ネットワーク、クラスタリングなどの研究に従事しながら、2005年と2006年にIPA未踏ソフトウェア創造事業に2度採択された。このときに知り合ったメンバーと東大大学院に在学のままネイキッドテクノロジーを創業する。

 当初はAIを使ったレコメンデーション機能を提供、後に携帯電話向けミドルウエアに事業を転換して成功し、2011年にミクシィに売却した。いったんはミクシィに所属するも「グローバルで成功する企業」を夢見てスピンアウト。ベトナムの優秀なIT人材に目を付けて、2012年にはシンガポールに本社、ベトナムに子会社を設ける形でシナモンを創業する。

 しかし、そこからは苦難の道だった。今で言うInstagramやSnapchatのようなビジュアルコミュニケーションアプリを3年間かけて開発したが、すべて失敗に終わる。ほとんどの従業員をリストラせざるを得ない倒産寸前の危機的な状況に陥ったのだ。

 危機を救ったのは学生時代からなじみのあったAIだった。システムの受託開発にあたって提供できる技術としてAIを営業用資料に加えたところ、引き合いが急増。ここから「ビジネスAI」に事業領域を転換する。AIを使い、手書き文字やメール、写真、電話音声などデータベース化されていないデータの取り込みや分析をするプロダクツを用意。累計30億円以上の資金調達に成功している。

シナモン代表取締役社長CEOの平野未来氏
(撮影:志田彩香)

 平野氏はForbes JAPAN「起業家ランキング2020」Best10、ウーマン・オブ・ザ・イヤー2019イノベーティブ起業家賞など国内外のさまざまな賞を受賞し、2020年から内閣官房IT戦略室本部員、内閣府税制調査会特別委員に就任している。

 会社の資金が1万円を切りそうなほどのどん底も味わったという平野氏。そこからどうやって復活を遂げたのか。新規事業を立ち上げる上で最も必要なことは何か。日経クロステックEXPO 2021では平野氏の豊富な経験の中でもえりすぐりの話が聞けそうだ。

起業家マインドがDXを加速する、テクノロジーで切り拓く未来の姿
2021/10/11(月) 12:30 ~ 13:00

 DXの本質はX(トランスフォーメーション)にあり、大切なことは新規事業マインドです。シリアルアントレプレナーとして経験した成功も失敗を共有しながら、新しいビジネスと成長戦略を支えるテクノロジーや、AIをパーパスや成長戦略に取り込む方法についてお話させていただきます。