2020年9月、本社機能をVR(仮想現実)空間に移転すると公表したメタリアル(2021年9月1日に旧社名のロゼッタから社名変更)。その中で、「『人類を地理的・時間的・言語的な制約から解放する』グローバル・ユビキタスのミッションを掲げる企業にふさわしく、xRで国境フリー、AIで言語フリーのオフィスを創ります」と宣言していた。

メタリアルVR本社での集合研修の様子
中央左が五石氏。メタリアルは2020年9月に本社機能をVRに移すと宣言。それぞれが雑談などもできるVRオフィスでの勤務を試行している。(出所:メタリアル)

 そのメタリアルの代表取締役CEO(最高経営責任者)である五石順一氏が、2021年10月11日からオンラインで開催される「日経クロステックEXPO 2021」に登壇する。五石氏は京都大学法学部を卒業し、ノヴァで経営企画課長、経営企画室長を歴任した後、2000年に社内ベンチャーとして翻訳・通訳事業を行うグローヴァを創業する。2004年4月にはグローヴァと、その子会社であった海外放送センターの株式をノヴァから買収して独立。2004年5月に「我が国を言語的ハンディキャップの呪縛から解放する」というミッションを掲げてロゼッタを創業する。

 ロゼッタは2004年11月に翻訳支援ツール「TraTool」、2006年11月には同社初のAI自動翻訳サービス「熟考」をリリースし、2015年11月に東京証券取引所マザーズへの株式上場を果たした。株式上場を目前に五石氏は、「実直なIRをしよう」「堅実な経営をしよう」「仕事に厳しくあろう」といった「涙目の誓い12カ条」を自らに課したという。

 その後も、2016年2月には専門翻訳の総合無料サポートサイト「産業翻訳だよ!全員集合」、2016年9月には日本語と英語のどちらでも仕事の依頼が可能なクラウドソーシングサービス「Conyac」、2017年1月には顧客企業別のテイラーメイド自動翻訳システム「T-4OO(Translation for Onsha Only)」、2017年12月にはプロ翻訳者マッチングサービス「スピード翻訳」、2018年2月には1文字1円のAI自動翻訳サービス「アイちゃん」をリリースするなど、様々なサービスを展開している。

メタリアル代表取締役CEO(最高経営責任者)の五石順一氏
(撮影:志田彩香)

 VR空間に移転した本社オフィスはPR用のデモンストレーションではなく、五石氏を含むスタッフ全員が毎日出勤する体制で勤務を続けているという。日々改良が加えられており、最近では自社技術を生かしてリアルタイムの自動翻訳機能を実装。もともと多国籍で母国が異なる社員同士が、それぞれ母国語で話しながら雑談できる「言語フリー」の環境を実現しているという。

 「日経クロステック EXPO 2021」の講演では、VRオフィスの現状をリアルタイムのデモを含めて紹介していただく予定だ。CEOの五石氏が目指す、国境フリー、言語フリーのオフィス環境とはどんなものか。見るのが今から楽しみだ。

ロゼッタの新事業子会社が進める「言語フリー」バーチャルオフィスの全貌、AIとVRで国境・場所・言語の制約を越える
2021/10/14(木) 10:00 ~ 10:30

 どこの国からでも、どんな場所からでも、どんな言葉でも、スマホでもPCでもVRでも、同じ空間に集まり仕事をする。オフィス内で交わされた会話はすべてテキスト化(多言語)されるので議事録も報告書も不要。