世界でスマートシティを構築する動きが加速している。背景にあるのは気候変動対策として各国がカーボンニュートラルに向けた政策を打ち出していることと、新型コロナウイルス克服への取り組み。もちろん、より高度に、そして身近になったデジタル技術があってのことだ。それぞれのプロジェクトを主導する企業・団体は、IoT(Internet of Things)、ロボット、AI(人工知能)、ビッグデータ、デジタルツインといったデジタル技術を活用することで、様々な社会の課題を解決し、すごしやすい社会を目指す。

 欧米・日本などでは、地球環境問題の解決策としてのカーボンニュートラルや交通渋滞・事故などの都市問題をデジタル技術で解決するプロジェクトが中心。とりわけ欧州では、エネルギー消費を最適化し、都市全体をカーボンニュートラル化する目標を掲げるケースが多い。一方、新興国では基本インフラ構築とともに、人口集中で悪化する治安や住居不足などの都市問題を解決する手段として、スマートシティ化を推進する。

世界各地域・国の代表的なスマートシティプロジェクト
(出所:日経BP 総合研究所)
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 こうした動きに加え、コロナ禍の経験から、パンデミックを乗り越えやすくすることも、今のスマートシティ・プロジェクトには重要なテーマになりつつある。この点は世界共通だ。人流の把握、地域別の感染傾向の迅速な把握、感染者・感染経路の把握、密状態の回避、ワクチン接種の管理など、デジタル技術を駆使して実現できることは多い。パンデミックにより、一部のスマートシティ計画には遅れが生じたケースはあるものの、カーボンニュートラル、コロナ禍という課題解決への意識の高まりが、プロジェクトを後押ししている。

 2021年10月11日からオンラインで開催される「日経クロステック EXPO 2021」では、「デジタル化、コロナ対策で変わる世界のスマートシティ」と題して講演をさせていただく。本講演では、日経BP 総合研究所が発行した「世界デジタル・スマートシティ総覧」から、世界のスマートシティの新潮流と、代表的なプロジェクトの特徴を解説する。

デジタル化、コロナ対策で変わる世界のスマートシティ
2021/10/18 (月) 17:00 ~ 17:30
日経BP総研 クリーンテックラボ 客員研究員 藤堂 安人

 IoT、ビッグデータ、AI、デジタルツインなどのデジタル技術を活用したスマートシティを構築する動きが世界で活発化している。深刻化してきた都市問題と地球温暖化問題を解決するためだ。新型コロナウイルス感染症対策でも効果を発揮しつつある。このほど発行した『世界デジタル・スマートシティ総覧』から、世界のスマートシティの新潮流を概観する。