SUBARU(スバル)は2025年以降を想定し、運転支援機能「アイサイト」にAI(人工知能)技術を搭載する考えだ。同社にとってアイサイトは中核技術で、ソフトウエアをほぼ内製しているとされる。サプライヤーに任せる競合が多い中、異例のこだわりだ。そんなスバルがAI技術を「手の内化」する拠点として渋谷に新たに設立したのが「SUBARU Lab」である。

アイサイトでAIを利用した画像認識結果のイメージ
(出所:SUBARU)
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 自動車メーカーとして小規模なスバルが、ソフトの内製にこだわる理由は何か。同社は2030年に死亡交通事故ゼロを目指すという高い目標を掲げる。アイサイトにAIの判断能力を融合させ、安全性を向上させるのにAIの「手の内化」は欠かせないと考える。

 AIがなくとも、現時点におけるアイサイトの実力は高い。国土交通省と自動車事故対策機構(NASVA)が2021年5月に発表した日本の自動車アセスメント(JNCAP)の最新の試験結果(2020年度)で、アイサイトを搭載した「レヴォーグ」が最高点を獲得した。

レヴォーグの外観
(撮影:日経クロステック)
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JNCAP(2020年度)の試験結果
(出所:日経Automotive)
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 アイサイトの主要センサーは、ステレオカメラとミリ波レーダーである。ステレオカメラの夜間認識性能を高めたほか、高機能ヘッドランプを組み合わせたことが、高得点の獲得に寄与した。今後AI機能を搭載すれば、カメラの認識性能をさらに高められて、目標の「死亡事故ゼロ」を視野に入れられる。

 2021年10月11日からオンラインで開催される「日経クロステックEXPO 2021」では、SUBARU Lab副所長の齋藤徹氏が『SUBARU Labの挑む「アイサイト×AI」開発』と題して講演を行う。SUBARU Labでは、いったいどんな研究開発が行われているのか。齋藤氏に「アイサイト×AI」開発の最新状況を語っていただく。

SUBARU Labの挑む「アイサイト×AI」開発
2021/10/21 (木) 12:30 ~ 13:00
SUBARU SUBARU Lab副所長 齋藤 徹 氏

 SUBARUは2030年に死亡交通事故ゼロを目指しており*1、その実現に向け、運転支援システム「アイサイト」にAIの判断能力を融合させることで、安全性をさらに向上させる研究開発を行っています。そのために渋谷に構えた新たなワークスペース「SUBARU Lab」におけるAI開発の実例を紹介します。
*1:SUBARU乗車中の死亡事故およびSUBARUとの衝突による歩行者・自転車等の死亡事故をゼロに