「テクノロジーでだれもが介護できる社会をつくる」をスローガンに掲げるケアテック・スタートアップaba(千葉県船橋市)代表取締役の宇井吉美(うい・よしみ)氏が、2021年10月11日からオンライン開催する「日経クロステック EXPO 2021」に登場する。宇井氏は千葉工業大学未来ロボティクス学科在学中の2011年に、研究テーマであった介護ロボティックスを事業化するためにabaを設立。匂いセンサーを利用して身体に負担を掛けずに排せつを自動検知する「Helppad(ヘルプパッド)」を開発し、パラマウントベッドと共同で製品化している気鋭の経営者だ。10月7日発売予定の『日経テクノロジー展望2022 世界を変える100の技術』の出版記念講演として招いた。

aba代表取締役 宇井吉美(うい・よしみ)氏
aba代表取締役 宇井吉美(うい・よしみ)氏
千葉工業大学在学中の2011年に研究テーマであった介護ロボティックスを事業化するためにabaを設立した。日本ケアテック協会理事。(出所:aba)

 Helppadはベッドに敷くシート状の匂いセンサーで尿や便の臭気を検知。本人がナースコールしたりしなくても看護や介護担当者に排せつをリモートで知らせることができる。三大介護の1つである排せつ介助を適切化して本人のQOLを改善すると共に業務負担を軽減して介護現場を支援する。本人の身体などにセンサーを取り付ける必要がない非接触型で心理的、肉体的な不快感を与えない、施設の設備として扱えて管理や運用が容易といった特徴がある。センシング結果から排せつパターンを自動解析して生成し、日々のケアを最適化・効率化する機能なども備える。テクノロジーによる「介護職の負担軽減」に大いに効果があると評価され、介護施設などで導入が始まっているケアテック注目の製品だ。

ベッドに敷くシート状の匂いセンサーで尿や便の臭気を検知する「Helppad」
ベッドに敷くシート状の匂いセンサーで尿や便の臭気を検知する「Helppad」
本人の身体などにセンサーを取り付ける必要がない非接触型で心理的、肉体的な不快感を与えずに、適切な排せつ管理を可能にする。パラマウントベッドと共同で2019年に製品化した。(出所:aba)

 優れた機能を活用するため、他の介護支援システムとの連携も始めた。既にパラマウントベッドが開発した睡眠管理システム「眠りSCAN」や、社会福祉法人善光会 サンタフェ総合研究所が開発した介護福祉事業者向け情報管理システム「スマート介護プラットフォーム Smart Care Operating Platform(SCOP)」との連携できるほか、システムファイブの IoT 見守りシステム「すいすいケア」との連携を2021年8月に発表した。2021年7月には高齢者みまもりサービス「みまもりほっとライン」を提供している象印マホービンとの共同研究も開始した。

『日経テクノロジー展望2022 世界を変える100の技術』
『日経テクノロジー展望2022 世界を変える100の技術』
日経の専門誌編集長、ラボ所長50人が世界を変えると評価するディープな技術100を厳選して紹介。1200人超のビジネスパーソンによるアンケートから「2030年の期待度」も併せて記載する。2021年10月7日発売予定。(出所:日経BP)

 宇井氏の講演では学生時代の研究から起業に至った経緯、介護現場をテクノロジーで改善するケアテックの可能性、臭気のセンシング精度を高めて体調管理にまでつなげるHelppadの将来構想などが語られるはず。世界的に今後大きな課題になる高齢者介護業務をテクノロジーで革新するケアテックの旗手の意気込みに触れられそうだ。

介護ロボットで未来を支える~『日経テクノロジー展望2022 世界を変える100の技術』出版記念
2021/10/14 (木) 11:00 ~ 11:30
aba 代表取締役 宇井 吉美 氏

 少子高齢化が進み、すでに大きな課題に直面しているのが介護業界だ。介護される高齢者が増え、24時間休めない仕事であり、人手不足が今後も続く。宇井氏は、そうした課題をテクノロジーで解決しようと取り組んでいる。そのために開発したのが、においセンサーでは高齢者の排泄(せつ)を検知する「Helppad(ヘルプパッド)」という介護ロボットだ。今後はニーズが拡大する介護市場において、どのような技術を使い、活用し、期待するかについて講演する。