人工知能(AI)の活用は、今後のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進を支える土台となる。しかし、AI技術者は人材不足が顕著で、雇用は難しく、AI構築の外注にもコストがかかる。そうした中で、ビジネスの課題を解決する分野におけるAI活用を、パソコン画面の数クリックで実現するソリューションが注目されている。

 「AIの民主化」という言葉をご存知だろうか。人工知能、すなわちAIを誰でも自由に活用できる社会を実現することを示した言葉である。資金力のある大企業が大型プロジェクトでAIを導入することもあるが、一方で中小企業や企業内の部署や小型プロジェクトでもAIの力を借りられれば、業務を効率化したり、より適切と思われるビジネスの方針を立てる重要なヒントを得たりすることができる。誰もがAIをツールとして使って、ビジネスに生かすことができる社会、それがAIの民主化を実現した世の中なのだ。

 一方で、AIというと、囲碁や将棋で圧倒的な力を見せ、どんな質問にも正しく即座に答えを返すような万能の機械やスーパーロボットのようなイメージも根強い。それ故に、AIがビジネスの世界に入ってくることで、自分の仕事が奪われてしまうという恐怖を抱く人も少なくない。

 それに対して、AI技術の提供、コンサルティング、人材育成などを手掛けるスタートアップ企業のaiforce solutions(エーアイフォースソリューションズ)の高橋蔵人氏は、「現時点のAIでは、まず鉄腕アトムのようなスーパーロボットのことは忘れてください。考えるべきは業務をサポートする『ビジネスAI』ですから、仕事を奪うどころか助けてくれる存在です」と説明する。

aiforce solutions COO AI Business Producer 東北大学データ駆動科学・AI教育 研究センター 特任准教授(客員) 高橋 蔵人 氏
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 さらに高橋氏は「ビジネスAIでは、『予測する』ことと『分類する』ことが、求められる2大機能です。ビジネスの課題の解決に、これらの機能が適用できれば効果を得ることができます」と話す。例えば、天候の動向から今後の食品の売れ行きを予測して仕入れ量を判断したり、過去の取引状況から優良顧客を選別したりする日常の業務をAIによって効率化できるという。

 それでは、ビジネスAIを自社でも活用するには、どうしたらいいか。ニュースなどを見ると、国内では絶対数が不足しているAI技術者やデータサイエンティストを雇うには、数千万円といった高額な報酬が必要とされる。さらにそもそも人材不足なので、雇用するのは容易ではない。内部人材が確保できないので、外部に委託した場合、やはりかなりのコストがかかる。もっと簡単にビジネスで必要な機能を備えたAIを活用する方法が求められている。