海外展開の加速でスピード感のある経営基盤確立が重要課題に

 国内市場が成熟化する中、海外展開を積極化している企業は少なくない。ここで大きな問題になるのが、海外拠点のガバナンスをいかに確保するかだ。海外拠点のビジネス状況を迅速に把握するには、リアルタイム性の高いERPが求められる。しかし、従来のように各拠点にロールアウトしていくという手法では、導入に時間がかかってしまう。

 この問題をSAP S/4HANA Cloudで解決したのが、大和ハウス工業だ。

大和ハウス工業株式会社
情報システム部 次長
福嶌 健氏

 「大和ハウス工業というとハウスメーカーのイメージが強いのではないかと思いますが、実は戸建住宅事業が売上高に占める割合は10%程度しかありません。商業施設の開発やホテル・リゾート、ホームセンター、スポーツクラブの運営、クレジットカードの発行、パーキング運営など、様々な事業の多角化を進めています」と語るのは、大和ハウス工業の福嶌 健氏だ。海外展開も積極的に行っており、2018年度の海外売上は2785億円に上っているという。

 2019年にスタートした第6次中期経営計画では、海外売上の目標額を4000億円に設定。また、創業100周年の2055年には、国内・海外を含めた売上高を、10兆円にすることを目指している。ここで大きな課題となったのが、グローバルにスピード感を持った経営基盤を、いかにして確立するかという点だった。

 「国内では2012年4月からSAP ERPを稼働させており、グループ全体において、会計領域で総売上高の80%強、人事領域で全従業員数の70%強をこれでカバーしています。しかし海外展開を加速していくには、国内ERPのロールアウトでは間に合いません。圧倒的なスピード感で海外展開できるERPが必要だったのです」(福嶌氏)

 この課題に対応するために選択されたのが、当時はまだ発表されたばかりのSAP S/4HANA Cloudだった。それでは大和ハウス工業はどのようなプロセスでこれを導入し、どのような成果を得たのだろうか。

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