猶予期間はわずか。早期に検討を始めるべき

 2019年1月以降開始の事業年度から強制適用となったIFRS(国際財務報告基準)の最新基準であるIFRS16。その内容は、原則として借り手リース契約をオンバランス化(資産計上)しなければならない、というものであり、重要性があれば海外現地法人を持つ企業であれば必ず対応する必要がある。これに伴う会計実務へのインパクトは決して小さくない。日常業務から決算業務、予算策定に至るまで、様々な変更や追加が生じるからだ。

 まず日次業務では、従来であればオペレーティングリースとしてオフバランス処理されていたリース契約を、オンバランス対象として登録することが求められる。月次処理でも仕訳起票の内容が変わり、リース契約条件に変更が生じた場合には、それに伴う影響を再測定しなければならない。

 決算時には、財務諸表に及ぼす影響を考慮する必要がある。リースのオンバランス化に伴い営業利益が上昇するなど、様々な変化が生じるからだ。また使用権資産を含む減損シミュレーションを行い、減損兆候判定を行う必要もある。そして予算策定では、使用権資産とリース債務を含めた将来予測が求められる。

 このようにIFRS16への対応は、本社経理部門はもちろん、業務現場への負担もかなり大きいものになる。また社内のリース契約を棚卸しする必要があるため、事前準備も大変だ。IFRS16に対応したグローバル企業の中には、Excelなどを利用して手作業を行っていたケースも少なくない。その負担が膨大なものであることは、想像に難くない。

 こうした事態は、IFRSの対象外の企業にとっても、他人事ではなくなるかもしれない。日本国内の会計基準も見直しが進んでおり、2023~24年ごろにはIFRS16と同様の「新リース会計基準」が、全企業に強制適用される可能性があるからだ。猶予期間はわずか4~5年と想定される。IFRS16に対応したグローバル企業の事例から分かるのは、早期に検討を始めることが円滑な対応のカギになるということだ。

 このように予測できる根拠は何か。そして対応のために検討すべきポイントは何なのかを次ページ以降で解説していく。

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