広く注目をあびる広島県の「働き方改革」

 広島県は、平成22年12月に作成された「行政経営刷新計画」のもと、ICTを駆使した「ワークスタイル変革」を積極的に進めてきた地方自治体として知られている。

 例えば、県の経営戦略会議はペーパーレスで行われ、知事をはじめとする出席者はタブレット端末を持って会議に臨む。さらに、今年から県議会もペーパーレス化を実現している。

 さらに「リモートワーク環境の整備」や「サテライトオフィスの設置」「執務室のフリーアドレス化」などを行い、職員が多様な働き方を選べる環境も構築済み。

 しかし、現在のような状況に至るまでには「乗り越えなければいけない様々な壁があった」と広島県 総務局 情報戦略総括監の桑原義幸氏は語る。

 「新しいことをやるといろいろな壁がありますが、特に私たち公務員は制度に縛られる職種ということもあって、制度上の問題が最も大きな壁になりました。例えば、在宅勤務を始めた当時は制度が追いついていなかったので、利用者はゼロという状況だったのです」

 現在では、577人の職員が在宅勤務制度を活用している(平成30年度実績)というが、これは制度を見直してきた結果。当初は、2週間前までに申し込みが必要だったり、育児・介護目的の利用に限定していたのを、当日申請を認めたり、全職員を対象にすることで、現実的に利用可能なものにしていったのである。

図1●制度は4度見直しが行われたという
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 桑原氏が語るもうひとつの壁が、サイバーセキュリティへの対応である。

 「国からは『ネットワークの分離』『庁内ネットワークの強靱化』『自治体セキュリティクラウドの構築』『CISO(最高情報セキュリティ責任者)の設置などによるセキュリティ体制の強化』が求められていますが、これをそのまま受け止めてしまうと『働き方改革』を実現する環境とギャップが生じかねません」(桑原氏)

広島県 情報戦略総括監 桑原義幸氏

 つまり、情報セキュリティの世界でよく言われる「セキュリティと利便性がトレードオフの関係にある(セキュリティを向上させれば、利便性が損なわれる)」という問題をいかに解決するか? ということなのだが、広島県では一体どのように安全性と「働き方改革」を両立させたのだろうか?

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