高精度な診断を支援するX線動画撮影システム

 肺や気管支など、呼吸器の疾患による死因が世界的に増えている。日本人の死亡原因の1位は「がん」だが、その部位としては男女ともに「気管支および肺」が1位だ。また、COPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease:慢性閉塞性肺疾患)の罹患者も多い。これは主にタバコを原因とした肺疾患で、慢性的に息切れや咳を引き起こすもの。WHOは、2030年までにCOPDが世界の死因の第3位を占めるようになると推測しており、日本でも死因の第10位に入った。これ以外でも、俗にエコノミークラス症候群といわれる肺血栓で亡くなるケースも増えてきている。

 このような国内外で深刻となっている呼吸器系疾患の早期発見・治療・病態生理の解明に向け、大きな役割を果たすと期待されているシステムがある。それが、コニカミノルタが開発した「デジタルX線(レントゲン線)動画撮影システム」だ。

 これは、アニメーションと同様の原理を用いて、パルスX線を1秒間に約15回連続照射したコマ撮り画像から動画を作成する仕組み。簡単にいえば、X線画像を動画で見られるようにするわけだ。動画であれば実際の胸部の動きを観察できるため、静止画と比べて多くの情報を得られ、今まで静止画では評価されてこなかった新しい診断価値の発見や迅速かつ簡便な診断につながると期待されている。

 システムとしては、X線動画を解析するワークステーション「KINOSIS」(Dell TechnologiesのOEM製品であるDell Precision 5820 XL Towerを利用)と、撮影装置である「AeroDR fine」で構成されており、従来のX線動画撮影と同様に、一般X線撮影装置を用いて動画撮影ができるという。また、通常のX線撮影と同様に、体を起こした立位や座位(正面,側面など可能)で撮影できるため、臥位で撮影するCTやMRIと違って、日常生活の体勢に近い状態を観察できるメリットもある。

 既にこうしたメリットに着目し、この仕組みを活用した臨床研究(特定臨床研究:jRCTs052180103)を進める医療機関もある。その1つが東海大学医学部付属八王子病院だ。デジタルX線による動画撮影によってどのような治療につながるのか、その効果や現場に携わる医師の想いなどについて紹介したい。

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