デジタル時代、重要性を増すシェアード情シス企業の役割
労働力人口の減少による慢性的な人手不足など、日本の社会構造が大きく変化している。企業がこれまでのように持続的な成長を続け、競争力を高めるためには、企業の合併・買収や持株会社制度による企業グループの再編などが必要になっている。
組織再編では、業務機能の集約・統合が重要な取り組みとなる。例えばIT領域においては、全社のIT利活用、および運用保守業務を集約し、効率化を図る方法として、情報子会社/シェアード情シスを組織する企業グループは多数あるだろう。
ITがビジネスに欠かせないものとなる中、この情報子会社/シェアード情シスに寄せられる期待は増大している。
例えば、高い専門性や豊富な経験・ノウハウを生かし、標準的かつ質の高いITサービスを全社に提供することはもちろん、より戦略的なIT利活用にかかわるニーズも高まっている。事業を支えるIT基盤を常に最新・最適な状態に保ったり、様々なデジタル技術を駆使したりして、現場に新しい価値を提供するといったことがその一例だ。
もちろん、これらの取り組みには十分なリソースが必要だ。大量のユーザーサポート業務やヘルプデスク業務を効率的に回し、グループ内での貢献度を高める仕組みは不可欠といえるだろう。
そこで今回は、NECグループと東京証券取引所の事例から、情報子会社/シェアード情シスにおけるITサービス効率化、改善のアプローチを学びたい。次ページ以降で見ていこう。