適切なビジネス判断にはセキュアなデータ収集が不可欠

 5Gの進展も重なり、IoTは本格的な実用化フェーズに向けて大きく舵を切り始めた。一方で、IoTを活用してビジネス判断や制御を行うにはデータに信頼性があることが前提になる。

 「例えば、不正・非正規品のエッジ機器がいつの間にかネットワークに接続されていたり、エッジ機器のファームウェアが脆弱性を抱えたまま放置されていたりしたのでは、データの信頼性が保証されなくなってしまいます。IoTシステムのセキュリティをいかに確立するかが、IoTのさらなる普及に向けた課題といえるでしょう」と、Arm(アーム)日本法人のIPプロダクトグループ(IPG)部門でビジネスを推進する五月女哲夫氏は指摘する。

 そうした中、Cortex-MプロセッサやCortex-AプロセッサなどのIPコアの開発元として知られるArmが推進するのが、デバイスから、ネットワークを経て、クラウドに至るまでの、エンドツーエンドでの包括的なIoTセキュリティである。

 なぜArmがIoTセキュリティを手掛けるのか。これまでも同社は、IoTシステムの実装や運用管理の効率を高めるために、プロセッサIPだけではなく、エッジ機器(エンドポイントのIoTデバイス)やゲートウェイに適した軽量のオペレーティングシステム「Mbed OS」や、IoTに特化したデバイス管理のクラウドサービス「Pelion Device Management」(以下、Pelion)を提供してきた。IoTセキュリティはそうした取り組みの一環であり、安全かつ安心なIoTシステムの実現をサポートすることが目的である。

 こうした課題を踏まえて、Armは大きく2つの提案をする(図1)。一つがエッジ機器のセキュリティのフレームワークを示した「Platform Security Architecture(PSA)」の提供で、主に半導体チップやエッジ機器のベンダーが対象だ。もう一つがPelionによるセキュアなデバイス管理サービスで、デバイスベンダーに加えてIoTシステムの構築や運用を担うベンダーが主な対象になる。まず、PSAについて説明しよう。

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図1●プロセッサIPからバックエンドのクラウドまで、エンドツーエンドで提供されるArmのIoTセキュリティ。これに対応したプロセッサIPやMbed OSも提供する。

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