3階層システムの“弊害”がDXの足かせに

 デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためには、ITインフラのモダナイゼーションが重要なカギを握る。旧態依然としたITインフラでは増大するデータを高速に処理できず、パフォーマンスも上がらない。新しいデジタル技術への対応も難しく、運用の手間とコストばかりが膨らんでいく。

 それではITインフラを最新のものにすればいいのではないか。そう思えるが、問題はそれほど簡単ではない。モダナイゼーションを難しくしている理由の1つが、現在主流の「3階層システム」にある。

 ストレージ、SANなどのストレージネットワーク、サーバーで構成される3階層システムは、各機器を個別に組み合わせて構築するため自由度が高い。互換性があれば、単一のメーカーの製品に縛られずに済む。リソースが不足した場合には、それぞれの機器を個別に増設することもできる。

 しかし、どこかの階層で増設やファームアップデートを行うと、芋づる式にほかの箇所も設定変更しなければならない。構成変更の影響調査なども含めると膨大な工数が必要となる。

 障害やトラブル発生時の対応も難易度が高い。例えば、サーバーで不具合が発生したとしても、必ずしもサーバー自体に問題があるとは限らない。メーカーにサポートを依頼するにしても、障害発生箇所を突き止めなければ、話が通らない。3階層の中でどこが問題になっているのか。障害発生箇所の切り分けは非常に手間のかかる作業である。

 このように3階層システムは自由度・柔軟性が高い半面、運用の負担が非常に大きい。仮に3階層すべての機器を最新のものに替えても、その後の運用の負担からは逃れられない。モダナイゼーションを実現するためには、3階層システムを思い切って見直すのも1つの手だ。

 次頁以降では、この変革に挑んだ企業の取り組みをひもとき、ITインフラの最適化に向けた効果的なアプローチを考えてみたい。

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