「インボイス制度」の開始を今年10月に控え、各社の対応が本格化している。「適格請求書発行事業者」として国税庁に登録し、「適格請求書発行事業者番号」を取得したうえで、それを記載した「適格請求書」を発行しなければ、取引先は消費税の控除が受けられなくなってしまう。

 インボイス制度は「請求書を出す側」と「受け取る側」の双方で対応が必要となる。前者では、適格請求書発行事業者番号や税区分などの項目を請求書に記載する必要があるが、基幹業務システムを改修して請求書の項目とレイアウトを変えればよく、対応は比較的容易だ。

 問題は後者である。受領した請求書が適格請求書かどうかを確認し、不備がある場合は再発行してもらう必要がある。確認は請求書を受領した組織が行うべきか、それとも経理部門で一元的に対処すべきか。企業ごとの事情に即した業務フローを確立する必要がある。

 この動きに伴い、OCR(光学的文字認識)による自動読み取りなど、業務負担を軽減するIT基盤の導入はさらに加速している。ITシステムを検討する際は、電子帳票取引の国際規格「Peppol」を視野に入れる必要がある。さもなければ、せっかくの投資が無駄になる可能性がある。これはネットワークを介して帳票データを直接やり取りする国際的な仕組みであり、日本でもデジタル庁が進めている。前述したような手作業での確認が丸ごと不要になるため、インボイス制度を機に普及が加速、これに対応できないシステムでは困る状況が早々に訪れる。

 インボイス制度への賢い対応法や、失敗しないITシステムの選択について、次ページで解説する。

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