乱立したシステムが、ビジネススピード低下の要因に
インターネット銀行の先駆け的存在であるauじぶん銀行。しかし、新たな商品・サービスを次々と開発する中でシステムが複雑化し、それがビジネススピード低下の要因になっていた。この問題を解決するため、着手したのがAPIを駆使したシステム間連携の見直しである。MuleSoftの「Anypoint Platform」で実現したAPI活用の仕組みと、同行が目指す内製化への取り組みを紹介する。
auじぶん銀行は、KDDIと三菱UFJ銀行の共同出資によって2008年に設立されたインターネット専業銀行である。スマートフォンを通じて決済・金融サービスをより身近にする「スマートマネー構想」のもと、多彩な取り組みを展開。金融業界のみならず広く世間にデジタル先進企業として知られている。
だが、それらの取り組みを進める中で、同行はある課題にぶつかっていた。金融サービスを担うシステムが次々と増えていき、次第に肥大化・複雑化していったのだ。

「サイロ化した複数のシステムをポイント・ツー・ポイントで接続していたため、サービスやアプリケーションが増えるたび、それらを連携させるために複数のシステムに改修・確認作業が発生しており、新施策の立ち上げなどを、スピード感を持って進めることが難しくなっていました」とauじぶん銀行の金子 泰三氏は振り返る。
この状況を脱却するには、システムを一度解きほぐして疎結合な状態に組みなおす必要がある――。そう考えた同行が注目したのが、APIである。システム同士をAPIで連携するとともに、API自体を集約管理していつでも再利用できるようにする。これにより、ビジネスのアジリティを高めたいと考えた。
「また、この状態を維持していくためには、一連のAPI活用を外部パートナーに依存しない体制を構築することも大切です。将来的な内製化も視野に入れ、最適な方法を検討することにしました」と金子氏は言う。
実は、auじぶん銀行がシステム間連携のAPI化を目指したのは今回が初めてではない。