2021年8月に昭和電工(現レゾナック・ホールディングス)のアルミ圧延品事業が分割して誕生した堺アルミ。同社は“独立”によって昭和電工の情報システム部門からも切り離され、基幹系から各種アプリまで、すべてのシステムを自前で構築・運用する必要に迫られた――。このような状況の中で、同社が業務効率化のためのツールとして導入したのが、サイボウズの製品群である。堺アルミはなぜ、サイボウズの製品群を選んだのか?
すべてのシステムを自前で構築・運用する必要に迫られた堺アルミ
堺アルミは、2023年に創業90周年を迎えた老舗のアルミメーカーだ。1933年、大阪府堺市で板から器物まで一貫生産体制でアルミ製品を作る「高田アルミニューム器具製作所 堺工場」として産声を上げた。戦中・戦後の混乱をくぐり抜け、1957年には「昭和アルミニウム」に社名を変更。翌1958年には、現在も主力製品であるアルミニウム電解コンデンサ用のアルミ箔の製造を開始している。
アルミニウム電解コンデンサとは、アルミの酸化皮膜を誘電体とするコンデンサ(電気を蓄えたり放出したりする電子部品)のことである。電源やインバーターなどの電子部品に用いられ、近年ではEV(電気自動車)やHV(ハイブリッド車)などにも使われている。
「当社が生産するアルミニウム電解コンデンサ用の高純度アルミ箔は国内シェア7割強、世界でもトップクラスのシェアを誇っています」と語るのは、製品開発を担当する同社 開発部長の穂積 敏氏である。

同業他社は、精製された高純度アルミ材を外部から調達して箔に加工するが、堺アルミは自社で精製から加工まで行うため、顧客企業の要求に応える製品をタイムリーに供給できる。創業以来こだわり続けてきた一貫生産体制こそが同社の圧倒的な強みであり、それが高いシェアにつながっているのだ。
2001年に昭和電工と合併。その後、約20年にわたって昭和電工グループのアルミ圧延品事業部として製品作りを行ってきたが、2021年8月の事業分割で堺アルミとなる。
これによってアルミ圧延品専業メーカーとして“独立”したものの、昭和電工グループの情報システム部門に依存していた基幹系から各種アプリまで、システムの構築・運用をすべて自前で行わなければならなくなった。
だが、社内にシステムやITの専門人材は1人もいない。そこで堺アルミは、未経験者でも構築・運用ができるSaaSの活用を決定。具体的な製品選びを開始した。
「タイムリミットがありました。“独立”までの2年のうちに、自前のシステムを構築しなければならない。まさに時間との闘いでした」。堺アルミ 品質保証部長の遠藤 茂氏は、このように振り返る。
