既に活用フェーズに入った中外製薬の生成AI戦略
製薬業界における生成AI活用の期待が高まっている。創薬のための研究開発や臨床試験などにデータを活用すれば、分析やシミュレーションが効率化する上、その精度も高まるからだ。学術論文の読み解きや各種のレポート作成、データドリブンな営業・マーケティングなども可能になる。
ただし、慎重な対応も必要だ。製薬会社は薬機法をはじめとする法令や業界ガイドラインの順守が求められ、規制も多い。臨床データや研究データなど機密性の高い情報も数多く扱っている。さらに最近では、生成AIの利用の広がりとともに「責任あるAI※」を求める声も強まりつつある。そうした要請に応えるためには「AIガバナンス」の確立と実行が不可欠だ。しかし、ルールを厳格にしすぎてしまえば、活用が進まない。このジレンマをどうするかが重要な問題だ。
そうした中で先進的な取り組みを進めている1社が、大手医薬品メーカーの中外製薬である。既に検討フェーズを終え、「どのように業務に活用し、ビジネスをどう変えていくか」を考えて始めている。生成AIは様々な業務で大きなビジネス価値を生み出す可能性を秘めている。中外製薬の取り組みは製薬業界のみならず、あらゆる業界の参考になるだろう。

瀧澤 与一 氏
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 執行役員 パブリックセクター技術統括本部長
企業はどのように生成AIと向き合い、活用していくべきか。中外製薬の鈴木 貴雄氏、AIガバナンスに詳しい弁護士の落合 孝文氏、責任あるAIをクラウドベンダーの立場から推進しているアマゾン ウェブ サービス ジャパン(以下AWSジャパン)の瀧澤 与一氏に話を聞いた。
※責任あるAI:倫理面やコンプライアンス、セキュリティーを重視して安全と信頼を確保し、AIの社会受容度を高めること。
*このコンテンツはAWS Summit Japanのセッションのもと再編集したものです
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