2017年から継続して出展し、産業界の関心を集めるAWS

製造業のデジタル革新を巡る最新情報が集まる場として世界の注目を集めるドイツの大規模産業見本市「HANNOVER MESSE」が、2024年4月22日~26日に開催された。約4000社もの企業・団体が出展する会場の中で、多くの来場者の関心を集めていたのがアマゾン ウェブ サービス(AWS)のブースだ。機械製品や工業製品だけではなく生成AIを始めとした取り組みも脚光を浴びる最近のHANNOVER MESSEの会場で、同社が継続して来場者の高い関心を集めているのは何故か。会場でその理由を探った。

 毎年春にドイツのハノーバーで開催されているHANNOVER MESSEは、1947年から開催されている長い歴史を誇る、世界最大級の産業分野の展示会である。

 主催者の発表では、開催期間中の来場者数は約13万人と前回と同程度。来場者の約40%はドイツ国外から訪れており、国別の来場者数の上位は、中国、オランダ、韓国、米国、日本だった。

 製造業の現場においてデジタル技術は欠かせないものとなっている。この展示会でも、数年前から大きな関心の的となっているのがデジタル変革を基盤から支えるIT関連企業の展示である。特に産業界への影響が大きい米国の大手IT企業の展示が注目を集めており、その1つがアマゾン ウェブ サービス(AWS)だ(写真1)。

 近年、IT業界からHANNOVER MESSEに出展する企業が増えているが、その中でAWSは比較的早い2017年に初めて出展し、製造業に注力する姿勢をいち早く表明。それから継続して出展している。Amazonグループの1社であるAWSは、グループ内に実業を持つ企業である。その意味で、IT業界の中でも製造業にとって身近なパートナーといえるだろう。

写真1●多くの来場者でにぎわったAWS展示ブース
写真1●多くの来場者でにぎわったAWS展示ブース

 説明員としてブースに立っていたAWSの川又 俊一氏は会場の様子について次のように語る。「ブースを訪れる人の数は昨年より大きく増えています。日本からの来場者も前回よりも多く、仕組みや実装方法など、より具体的なところに踏み込んで熱心に質問を受けることが多々あります。来場者の関心の高さをひしひしと感じました」。

川又 俊一氏
川又 俊一氏
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 自動車・製造 事業開発本部 事業開発部長

 今回、ブースのデザインやレイアウトの基軸となっているキーワードは、前回と同じ「Industrial Data Fabric」(以下、IDF)である。IDFとは、デジタル変革に向けて不可欠なデータ活用を実現するための環境を指す。具体的には、企業内の様々なところに存在するデータを収集・統合して一元的に利用できるようにするとともに、そのデータを分析して有意義な情報を引き出す仕組みを提供する。データを軸に新たなビジネスモデルや事業価値を創出するというDX(デジタルトランスフォーメーション)の概念を実践するために不可欠ともいえる仕組みである。特に高品質で豊富なデータが多いほど、よりよい性能を発揮する生成AIのような技術の可能性を最大限に引き出すためにIDFのような環境が欠かせない。

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