ブラックボックス化したシステムを生成AIで読み解く

 日本企業のDXを阻む要因の1つがレガシー化したシステムだ。長年の実績と信頼のあるシステムだが、一方で複雑化しているメインフレームシステムを脱却することが、DXを加速する上で不可欠といえる。

 そこで課題になるのがナレッジの共有や技術継承である。運用開始から長い年月が経過した自社構築システムは、設計書はもちろん、幾度もの改修や機能拡張の詳細を記したドキュメントはほとんど残っていないことが多い。そのため、モダナイゼーションに際しては、ソースコードからモジュールの仕様やロジックを読み解くリバースエンジニアリングが必須になるが、旧世代の言語を理解できる人材は限られる。数人のベテランエンジニアに頼るしかない、あるいは対応できるエンジニアが既に全員退職しており、手も足も出ないという企業は少なくないはずだ。

 とはいえ、若い世代のエンジニアに、コストと時間をかけて、メインフレームの運用に必要なスキルを身に着けてもらったとしても、そのスキルが将来的にどこまで生きるかは未知数だ。貴重な若手人材のリソースは、できるかぎり最先端の技術スタックを持たせて生かしたいというのが企業の本音だろう。

 このような難しい問題を、新たなアプローチで解決しようと試みる企業がある。それが、沖縄県に本社を構える総合小売業、サンエーである。

 食料品や外食、衣料品、家電、日用雑貨など、多様な業態の地域密着型店舗を展開する同社にとって、レガシー化したシステムはDXを加速する上での障壁となっていた。そこで同社が注目したのが生成AIだ。ソースコードを投入すると、ベテランエンジニアの代わりに生成AIが中身を読み解き、システムの概要や役目を教えてくれる。このようなAIチャットシステムを構築することで、レガシーマイグレーションプロジェクトを加速しているという。

 取り組みの詳細と現在までの成果とは?次ページで紹介する。

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