DXに向けては旧型のITシステムを脱却する必要がある
流通業のビジネスはサプライヤー、卸会社から顧客企業、一般消費者まで多様なステークホルダーとの「つながり」で成り立っている。これを支えているのがITシステムだ。次々登場する先進テクノロジーを取り入れ、スムーズなビジネスを実現する環境を整備することが欠かせない。
ただ、そのような仕組みを用意することは簡単ではない。現在の企業では、長年利用してきたITシステムが老朽化・複雑化し、“負の遺産”となってビジネス変革を阻害しているケースが多くあるからだ。この状況を脱却し、新しい価値を生む仕組みに移行するためには、多様な側面からの検討と、思い切ったチャレンジが必須になるだろう。
そんな中、先駆的な取り組みによって注目を集める企業がある。サッポロビールなどを傘下に持つサッポロホールディングスと、百貨店大手の三越伊勢丹グループだ。
いずれもクラウドテクノロジーをフル活用して大規模なシステム刷新プロジェクトを加速しているほか、より発展的なDXの取り組みにも大きく踏み出している。
それぞれどのような手法で取り組みを推進したのか。また、その過程でどんな困難があり、どう克服したのか。両社の取り組み内容を基に、日本企業の“流通DX”の勘所を考えてみよう。