大きな注目を集めたNTTドコモ×AWSのデジタルツイン
2025年3月3日から4日間にわたり、スペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress(MWC)2025」。世界最大級の通信・モバイル見本市であるこのイベントには、日本からも多くの通信関係者が参加。日本企業による展示も数多く行われた。
その多くは、モバイル通信の近未来を先取りしたものだ。MWCは、通信キャリアや機器ベンダーにとって自社の技術力を披露する絶好の舞台であると同時に、業界全体の先行きを見通す上でも外せないものといえるだろう。
中でも今年、多くの来場者の注目を集めていたのがNTTドコモとアマゾン ウェブ サービス(AWS)の共同展示である。
通信ネットワークは世代が新しくなるほど大規模になり、複雑さが増していく。そのため、トラブルが発生した際は、一度に2000近くのアラートが発報することも珍しくないという。この状況では、障害箇所の特定や原因究明に多くの時間がかかってしまう。そこで両社は、この問題を解決するものとして「ネットワークのデジタルツイン」を実現した。
具体的には、無数のノードが階層的に接続されているネットワークトポロジーを、AWSのグラフデータベースサービス「Amazon Neptune」で可視化する。その上で、障害管理(FM:Fault Management)情報とパフォーマンス管理(PM:Performance Management)情報を各ノードにマッピングしてデータを収集。この環境に対してクエリを発行し、障害の影響がどのように波及していったかを解析することでスコアリングを行い、障害の原因となったノードを画面上で即座に確認できるようにするものだ(図1)。
この展示で注目したいのは、NTTドコモの商用データでデモを行ったことである。大量のアラートが発報され、原因究明に時間がかかる大規模な障害のケースにおいても、15秒ほどで障害ノードを特定することができた。
なお、AWSはこのNTTドコモとの共同展示を含めて計24のデモをMWC2025で実施した。その意味で、同社はモバイル業界を裏で支える存在だといえるだろう。通信キャリアと共同で行ったデモも多く、そのどれもが通信業界やモバイル通信の未来を指し示すものになっていた。
そこで次ページでは、MWC2025のAWSの展示から代表的なものを紹介する。カナダの通信大手企業であるTELUS、スペインに本拠を置く通信会社Telefonicaとの共同展示など、いくつかの例を見ていこう。
