シミュレーションのフル活用で、多様な業務を効率化
大手総合化学メーカーであるダイセルでは、創業当初から、セルロースなどの有用な性質を持つ繊維や有機物質を活用して、様々な工業製品の原料や部材を開発・生産してきた。その応用分野は、自動車、機械、エレクトロニクス、医療・ヘルスケア、環境、化粧品など多岐にわたる。
近年、製造業の多くの企業において、DX(デジタルトランスフォーメーション)の実践が活発化している。もちろん、ダイセルも例外ではない。製品を開発・生産する各事業ユニットから独立した、社長直轄の専門全社組織である「デジタル戦略推進センター」を設置し、システムやデジタルサービスの設計、AI技術を活用できる人材育成、企業全体の効率化に取り組んでいる。
同センター内の事業化加速グループには、CAEの専任部隊が在籍しており、「社内コンサルタントのような立ち位置で、製品企画から、材料開発・設計、処方・プロセス設計、プラント設計、そして商業運転に至るまでの広範な業務工程でシミュレーションを活用することで、技術的課題の解決と開発・設計期間の短縮、コスト削減を目指す業務改革を支援しています」とダイセルの事業化加速グループで研究員を務める糸見明穂氏は話す。
次ページでは、ダイセル社内で実施する数あるシミュレーションの中でも、特に難易度が高い解析の一つである「粉体解析」のプロセス最適化に向けた取り組みを紹介する。