長く使い続けられる高可用性システムの姿とは?
金融ではATMや決済システム、流通・小売では在庫・受発注システム、交通・インフラでは運行管理や料金収受システムなど、我々の暮らしやビジネスは多くのミッションクリティカルシステムに支えられている。しかし、「システムが止まらない」ことは決して当たり前ではない。様々な問題を回避するための高度な仕組みや、運用者の取り組みによって実現されているものだ。
人々の生活に不可欠な重要サービスを、止めずに維持することは簡単ではない。例えば、需要が急速に伸びているサービスでは、ITシステムのキャパシティオーバーを防ぐため頻繁なリソース追加や構成変更などが必要になる。その際に発生するダウンタイムは、なかなか避けられないものといえる。
また、システムの脆弱性を解消するために行うセキュリティーパッチの適用など、本来は守りのために行う作業でもシステム停止が必要になる。さらに、ITインフラ分野における慢性的な人材不足、システム構成の複雑化に伴う運用コストの高騰によって、必要な保守に手が回らなくなることも考えられる。そうなれば、予期せぬ不具合でシステムが停止してしまうリスクが高まるだろう。
加えて現在は、個々の企業では対処できない外的要因も増えている。メインフレームベンダーの市場撤退、仮想化基盤のライセンス体系変更などはその例だ。現状維持が難しくなる中、塩漬けすべきか、あるいは別の仕組みへ移行するべきか――。多くの企業が意思決定を迫られている。
これからの時代、ミッションクリティカルシステムの「あるべき姿」とは、果たしてどのようなものなのか。今回は、長く使い続けられる高可用性システムの最適解を考えてみたい。
ミッションクリティカルシステムの要件を満たすためのポイントは大きく2つある。1つはセキュリティー対策を含めた「可用性」、もう1つは「将来性」だ。