生成AI(人工知能)に大きな可能性を感じる人は多い。しかし、それでビジネスはどう変わるのか、業務をどう変えていくのか、働き方はどう変わるのかといった各論について明確なイメージを描けていないのが現状ではないだろうか。こうした中でIBMでは、「IT変革」にAIを活用するというアプローチを打ち出した。では、具体的にどうアプローチしていくのか。入り口となる生成AI活用に向けた戦略策定とガバナンスについて、日本IBMの2人のキーパーソンに話を聞いた。

生成AI活用の知見を踏まえて開発されたIT成熟度評価

 生成AI活用の期待は高まっていることは間違いない。しかし、実態はどうなのだろうか。日本IBMのコンサルティング事業本部 技術理事の久波健二氏は「生成AIはこれまでのAIとどう違うのか理解することを目的にとにかく使ってみて、これからどう活用するかと考えている企業が多いのではないでしょうか」と語る。

久波 健二 氏
久波 健二 氏
日本アイ・ビー・エム株式会社 コンサルティング事業本部 技術理事

 IT変革のための生成AI活用という点でも同じことが言えそうだ。まったく使ったことがないというよりも「コード生成は試してみた」という企業も多いのではないだろうか。日本IBMの青柳健氏は、「コードを自動生成するだけではビジネスへの貢献は期待できません」と指摘する。

青柳 健 氏
青柳 健 氏
日本アイ・ビー・エム株式会社 コンサルティング事業本部 アソシエイト・パートナー

 実際にIBMが提案する「IT変革のためのAIソリューション」というフレームワークでは、大きく5つのメニューが用意されている。「AI戦略策定とガバナンス」「コード生成のためのAI」「テスト自動化のためのAI」「IT運用高度化のためのAI」「プロジェクト管理のためのAI」である。

 「重要なのは、ビジネス上の成果をもたらすことです。そのためにはテクノロジーと組織・文化の両輪のバランスをとって進めることが大切です」と青柳氏は語る。IBMのような知見を持ったパートナーを壁打ちの相手に進めていくのは、確実に前進するための一つの有効な手段だといえるだろう。

 IBMでは、2018年ごろから自社の業務に生成AIを活用してきた。同社では昨年、その知見をベースに「生成AI活用のIT成熟度評価モデル」を開発し、このほど日本版もリリースした。質問に回答していくことで自社のIT成熟度がわかり、そのうえでAI活用によるIT変革で目指す姿を議論することにより、ビジネス上での成果を生み出すことができるという。

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