AWSを学ぶ日本最大級のイベント「AWS Summit Japan」が6月20・21日の2日間、幕張メッセで開催された。AWSについての学習、ベストプラクティスの共有や情報交換の場として2万人以上が来場した。AWSプレミアムパートナーとして多くの実績を持つ日本IBMは、ブレイクアウト・セッションで通信教育大手「Z会」の基幹システム刷新に関する講演を実施。また展示ブースでは、AI(人工知能)の本格活用に向けたソリューションについてのミニシアター、展示、デモを行った。
本格的なデータ活用のために求められた基幹システムの刷新
イベント初日の午後に行われた講演では、基幹システム刷新に挑む通信教育大手、Z会の情報システム本部 本部長の内藤正史氏が登壇。現在までの取り組み状況を紹介するとともに、日本IBMのアソシエイト・パートナーの福田康明氏がZ会の事例から見えてくる基幹システム刷新の成功のポイントについて解説した。創業93年のZ会は「最高の教育で、未来をひらく。」との理念のもと、一人ひとりに寄り添う通信教育を実施してきた。内藤氏は「教育もDX(デジタルトランスフォーメーション)で変わりつつあります。紙と郵便から始まり、今はタブレットと手書き入力、そして今後はデータを活用したよりよい教育へと変わっていきます」と教育におけるDXの3段階を紹介した。

この進化に対して同社の基幹システムは、オペレーション中心でモノリシックな構造を持ち、サイロ化しており、それが足かせとなるのは目に見えていた。「データが活用しづらく、アジリティー(俊敏性)を持たせるのが大変で、人とコストが大きな課題となっていました」と内藤氏は、基幹システム刷新に乗り出した背景を語る。
しかし、基幹システムの刷新は一筋縄では行かない。複雑性との戦いであり、ステークホルダーが多く、社会学的な課題も発生する。刷新することで何かトラブルが起きれば大きなダメージを受けるためにどうしてもリスク回避的になる。とてもチャレンジングな取り組みであることは間違いない。
そこで同社は2019年から段階的に刷新を図ってきた。まずデータ活用を前提にデータモデリングを行い、機能をマイクロサービス化し、オンプレミスからクラウドへと順次移行させた。クラウド環境はAWSとRed Hat社のOpenShiftの組み合わせを採用した。ITインフラでAWSを採用した理由として内藤氏は「安心してビジネスを提供できる継続性」「コスト低減につながる向上し続ける経済性」、そして「ベストプラクティスを提示できるリーディングカンパニーとしての知見」の3つを挙げた。そして、この基幹システム刷新という難題に取り組むパートナーとして選択したのは日本IBMだった。