場所を問わない働き方が広がり、業務用PCにノート型を採用する企業が増えている。しかし、デスクトップ型のPCが適している業務は今なお多く存在する。ノート型とデスクトップ型はどのような基準で選ぶべきなのか。

本記事では両者の特徴と、製品選択時の留意点について解説したい。

「デスクトップ型PC」がおすすめの業務とは

 ノート型PCの特長は、設置スペースが少なくてすむことや、必要に応じて持ち運んで使えることだ。働く場所が日によって異なるような社員には、ノート型が有力な選択肢になるだろう。だが、作業場所が固定されている社員は、必ずしもノート型に統一する必要はない。

 一方でデスクトップ型をおすすめしたい業務もある。映像編集や設計業務、データ解析、AIモデルの生成などは、その最たるものだといえるだろう。これらの業務の共通点は、膨大なデータを高速かつ長時間処理し続ける必要があること。業務中はPCがフル稼働するため、電源につなぎっぱなしにする必要がある。

 もちろん、高性能なノート型PCでこれらの業務をこなすことも不可能ではない。それでも「デスクトップ型がおすすめ」なのは、明確な優位性があるからだ。

法人向けPCにおけるデスクトップ型とノート型の違い
項目デスクトップ型PCノート型PC
適した用途事務、動画・画像編集、デザイン、CAD、固定席での作業 など会議、テレワーク、外出先での作業 など
特徴・持ち運びできない(設置場所が必要)
・モニターやキーボードを接続して使用する
・高性能なモデルが多く拡張性が高い
・大画面モニターを接続すれば作業がしやすい
・持ち運び可能で場所を選ばず使用できる
・モニターやキーボードを接続する必要がない(本体のみで完結)
・メモリやストレージなどの拡張性が低い
・携帯性を重視したモデルは画面が小さめ

デスクトップ型PCの5つの優位性

 デスクトップ型PCの優位性としては、大きく以下の5つが挙げられる。それぞれ詳しく見ていこう。

デスクトップ型PCの優位性
  1. 拡張性の高さ
  2. 優れた冷却性能
  3. 盗難や紛失リスクの低さ
  4. 耐久性・信頼性の高さ
  5. 操作性の高さ

1. 拡張性の高さ

 デスクトップ型PCはノート型に比べて筐体に余裕があり、ハイスペックなグラフィックスカードの追加搭載が容易だ。そのため、ノート型では処理しきれない高負荷作業も軽々とこなせるようになる。また、メモリやストレージの増設も簡単で、扱うデータ量が増えても柔軟にスペックを拡充できる。

2. 優れた冷却性能

 デスクトップ型は筐体内部に十分な空間があるため、ファンなどによる効果的なエアフローを確保しやすい。これにより冷却性能が向上し、長時間の高負荷処理中に過熱でシステムがダウンするリスクを低減できる。長時間にわたって安定した稼働が可能なのだ。また内部空間に余裕があることで、故障時の修理・部品交換も行いやすい。

3. 盗難や紛失リスクの低さ

 デスクトップ型は設置場所を固定され、社外へ持ち出す機会が限定される。そのため、外出先での盗難や移動中の紛失といったリスクを抑えやすい。外部に決して漏えいしてはならないデータを扱う業務では、こうした「持ち出さない運用」を前提にできる点が大きな安心材料になる。

4. 耐久性・信頼性の高さ

 ノート型と比較した場合、デスクトップ型は耐久性・信頼性の面で優位性が高い。シャーシが大きく放熱性に優れるため、熱による負荷が抑えられ故障が起こりにくいからだ。加えて、部品のサイズや重量の制約が少ないため、より堅牢なフルサイズパーツを採用しやすい。さらに、バッテリーなどの消耗部品が少なく、持ち運びに伴う振動・落下・水没といったリスクもほとんどない。ホコリ清掃や部品交換が容易な点も、長期運用における安定性に寄与する。

5. 操作性の高さ

 デスクトップ型PCは、ディスプレイやキーボードを自由に選択・組み合わせることができる。大画面ディスプレイと打鍵しやすいキーボードを選択すれば、操作性が向上し、業務生産性の改善にもつながる。

デスクトップ型PCの選択で留意すべきポイント

 業務用のデスクトップ型PCを選ぶ際には、以下の3つのポイントについて留意したい。

筐体の設計

 拡張性やエアフロー、修理のしやすさなどに配慮した筐体設計かどうかを確認すること。高負荷処理を長時間こなすには、冷却性能と拡張性を備えた堅牢な筐体設計が不可欠だ。

ISV認証の有無(高度な業務ではワークステーションも検討)

 一般的な業務であれば、デスクトップ型PCの性能や拡張性を満たしていれば十分な場合が多いが、CADや3Dレンダリング、解析などの専門的なアプリケーションを使う場合は注意が必要だ。

 こうした用途では、ソフトウェアベンダーが動作検証を行った「ISV認証」対応のワークステーションが推奨されるケースがある。ISV認証とは、産業向けソフトウェアベンダーが特定のハードウェア構成との互換性や安定性を検証・保証する仕組みで、認証済みワークステーションであれば導入初日から安心してソフトウェアを利用できる。

 専門アプリケーションの利用を前提とする場合は、デスクトップ型PCに加えて、ISV認証を取得したワークステーションの導入も選択肢として検討するとよい。

セキュリティー・運用管理機能

 セキュリティーや運用管理機能がしっかりしているかどうかを確認すること。機密情報を扱う可能性が高い業務で使われることが多く、パフォーマンスも求められるからだ。

法人用途に配慮したデルのデスクトップ型PC

 グローバルPCベンダーであるデル・テクノロジーズ(以下デル)では、これらの条件を満たす法人向けデスクトップの開発が行われている。同社の製品は以下の3つの観点で、法人用途に求められる要件を高い水準で満たしているのだ。

本体のつくりを重視した設計

 デルのデスクトップ型PCは、拡張性や冷却性能といった「本体のつくり」を重視している。長時間の高負荷処理を前提にしたエアフロー設計や、あとからメモリ・ストレージを増設しやすい構造を採用。動画編集やAI処理といった、高い負荷がかかる業務でも安定した稼働を実現する。

プロ向けソフトウエアとの相性の良さ

 デルのデスクトップ型PCの特徴として、幅広い業務アプリケーションとの「相性の良さ」も挙げられる。設計・CAE・映像編集・データ分析など、企業でよく使われるプロ向けソフトウエアとの互換性を検証し、ISV認証を多数取得。導入後に「ソフトがうまく動かない」といったトラブルが起きにくく、購入初日から安心して業務に使用できる。

 また、Windows 11 ProやWindows 11 Pro for Workstationsといった上位エディションのOSを選べる点も、法人用途で安心できるポイントだといえるだろう。

セキュリティーと運用面の強み

 セキュリティーと運用面も、デルのデスクトップ型PCの大きな強みといえる。ファームウエアレベルの保護から、部品調達の段階まで目を光らせる多層防御の考え方で、デバイスの安全性を担保している。

 また、利用シーンに合わせてPCを自動で最適化する「Dell Optimizer」を無償で提供。アプリの動作や消費電力をAIが学習し、レスポンスや電源効率を向上させる。こうした「裏側の工夫」によって、同じPCでも使い心地が変わってくるのだ。

デスクトップ型PCで高度な業務の生産性を高める

 業務に使用するPCを検討する際は、総合的な観点から製品を評価することが重要だ。デルの法人向けデスクトップ型PCは、デスクトップ型ならではのメリットを最大限に引き出し、高度な業務の生産性をさらに高めることが可能になるだろう。

よくある質問

Q.デスクトップ型PCが向いている業務は?

 デスクトップ型PCは、映像編集・設計業務・データ解析・AIモデルの生成など、膨大なデータを高速かつ長時間処理し続ける必要がある業務に適している。また、作業場所が固定されており、機密性の高いデータを扱う業務にも向いているといえるだろう。

Q.デスクトップ型PCの優位性は?

 デスクトップ型PCは、ノート型PCと比べて主に5つの優位性がある。

  • 拡張性の高さ:ハイスペックなグラフィックスカードやメモリ・ストレージの増設が容易
  • 優れた冷却性能:効果的なエアフローにより、長時間の高負荷処理でも安定稼働が可能
  • 盗難・紛失リスクの低さ:設置場所が固定されるため、機密データの社外持ち出しリスクを抑えられる
  • 耐久性・信頼性の高さ:堅牢なフルサイズパーツの採用や掃除のしやすさなど、長期運用に適している
  • 操作性の高さ:ディスプレイやキーボードを選択・組み合わせて操作性を向上できる

Q.デスクトップ型PC選びの注意点は?

 デスクトップ型PCを選ぶ際は、以下の3点に留意したい。

  • 筐体の設計:拡張性・冷却性能・修理のしやすさに配慮した設計か
  • ISV認証の取得有無:使用予定のプロ向けソフトウエアとの互換性が検証・保証されているか
  • セキュリティー・運用管理機能:多層防御やデバイス管理機能が備わっているか
※ ワークステーションを検討の場合