ツールを導入しただけで「データドリブン」は実現できない

 業務で蓄積される「データ」を様々な角度から分析し、その結果に基づいてビジネス上のあらゆる意思決定を行う――。デジタルトランスフォーメーションに向けた取り組みが加速する中、多くの日本企業が、この「データドリブン」なスタイルを目指している。

 必要なのは、社内の誰もがデータを日常的に扱い、その効果を引き出せる体制を整えることだ。BIツールを用いて、全社規模で集約したデータにアクセス。経営戦略立案から日々の営業活動、マーケティング施策など、あらゆる業務シーンで常に参照できるようにする。ヒトの「経験」や「勘」といった、あいまいで属人化しやすい要素をビジネスから排除することで、経営判断の精度や施策実施のスピードを大きく高めることが可能になる。

 だが、こうした仕組みを実現するのは、「言うは易く行うは難し」である。残念ながら、全社の業務をデータドリブンなスタイルへ移行できている日本企業は、まだ一握りといえる。

 大きな要因は、BIの導入プロセスが「ツール頼み」になっており、十分練られていないことにある。つまり、使いやすさを売りにしたBIツールを選んだら、あとは現場に配布するだけで勝手に活用が進む、と考える企業が多いのだ。

 これでは、社内の大多数を占める「そもそもデータに触れたことさえない社員」の活用は進まない。結果として、データサイエンティストなど一部の専門家だけが使う状況が続くことになる。また、情報システム部門にとっても、引き続きデータ分析関連業務を一手に引き受ける状況が続き、業務負荷が高止まりしてしまうことになるだろう。

 重要なのは、BIツールの活用を全社に浸透させることであり、そのプロセスを情報システム部門や経営企画部門がしっかり設計し、それにのっとって取り組みを進めることである。そのためのプロセスは、大きく3つのステップで捉えることができる。次ページ以降で、詳細について解説していこう。

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