三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)のカブドットコム証券が、2020年ビジョン『カブコム2.0』において「ネット証券からデジタル金融企業への進化」を掲げ戦略を具体化させている。その中で最重要と位置づけられるプロジェクトが、証券取引業務を支えるシステム基盤の全面刷新だ。1,000台規模の物理サーバーで構成されるシステム基盤は、最先端のインフラ製品と従量課金サービスにより最新化される。2019年冬に「auカブコム証券」に生まれ変わる同社は、MUFG×KDDIグループのデジタル金融企業として新たな成長を加速させようとしている。

KDDIがカブドットコム証券に資本参加

カブドットコム証券株式会社
システム技術部長
兼 基盤グループ長
宮本 喜与士 氏

 2019年2月、「KDDIがカブドットコム証券に資本参加する」というニュースが業界を驚かせた。モバイル通信大手であるKDDIと、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)のカブドットコム証券が融合し、2019年冬に「auカブコム証券」が誕生することになる。カブドットコム証券 システム技術部長 兼 基盤グループ長の宮本喜与士氏は次のように話す。

 「カブドットコム証券は、『MUFGおよびKDDIグループのデジタル金融企業』として生まれ変わります。インターネット金融サービスの強化を目指すKDDIと、FinTech領域で成長を加速させるMUFG・カブドットコム証券の戦略がまさに合致した形です」

 カブドットコム証券は2018年からの中期経営計画において、2020年の目指す姿を『カブコム2.0』として定義している。ここでは、ネット証券からデジタル金融企業へ進化するために、商品・サービスの先進性、収益モデルの多様性、経営の効率性すべてにおいてNo.1を達成することを謳っている。

 「私たちは、MUFGおよびKDDIのデジタルトランスフォーメーション戦略をリードし、『商品・サービスの先進性』において他の追従を許さないNo.1を目指します。企業理念として掲げる『リスク管理追求型』 のコンセプトに立脚しながら、AIやブロックチェーンなどの先進技術を駆使したサービスの開発を推進しています」(宮本氏)

 「収益モデルの多様性」を実現するための柱は、APIエコノミーの確立、異業種協業の更なる強化だ。宮本氏は「システム基盤をサービスとして提供する、B2B2Cプラットフォームビジネスへのチャレンジ」と表現する。

 「MUFGの一員である三菱UFJモルガン・スタンレー証券向けに、超高速の発注基盤システム『RAIDEN』の提供を始めました。また、地方銀行や異業種の企業が証券ビジネスに進出する際に、私たちの証券基幹システムをスムーズに利用いただけるよう『kabu.com API』を拡充させています」

 KDDIの膨大な顧客層に対して“スマートフォンファースト”の革新的な商品・サービスを提供する準備も進めているという。さらに、デジタルイノベーションの積極的な活用で「経営の効率性」を高める。

 「カブドットコム証券は、創業20年にして第2の創業とも言える重要な転換点を迎えています。ビジネスのスケールも、サービスの品質も、経営のガバナンスも、まったく新しい次元へ進化しなければなりません。2018年初頭、私たちはデータセンター移転とシステム基盤の全面刷新を決断しました。新たな20年を支える『次世代システム基盤』の構築です」(宮本氏)

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