コロナ禍で増大するレント・コンセッションの会計処理

 新型コロナウイルスの感染拡大は、私たちの日常生活やビジネスに大きな影響を及ぼした。多くの企業が通常営業を行えない状況に陥ったが、その影響は会計分野にも波及している。国際会計基準審議会(IASB)が2020年5月28日に、「COVID-19関連レント・コンセッション(IFRS第16号の改訂)」を公表したのだ。

 IFRS(International Financial Reporting Standards)とは、IASBが制定する国際財務報告基準であり、主として上場企業やグローバルビジネスを展開する企業が適用対象となる。IFRS第16号(以下、IFRS16)は2019年度より強制適用となっており、借り手のリース契約を原則としてオンバランス化することを求めている。

 今回公表されたIFRS16の改訂内容は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大によってレント・コンセッション(賃料の免除や支払い猶予など)を受けたリースの借り手を対象に、簡便的な会計処理を可能とする免除規定を設けるというものだ。

 レント・コンセッションによってリースの条件変更が発生した場合、IFRS16では原則として、借り手はリース負債を「再測定」し、再測定後の結果と従前に計上している使用権資産とリース負債計上額との差額をBSの調整額として会計処理を行う必要がある。しかし新型コロナウイルスの感染拡大で通常営業できない企業が数多く存在する状況下では、売り上げ減少に伴うレント・コンセッションが大量に発生する可能性がある。経済的混乱の中でこれらすべてを原則論で処理するのは負担が大きいため、このような免除規定が提案されているのだ。

 これはあくまでもIFRS16適用企業を対象としたものであり、未適用の企業は対象外である。しかし未適用の企業も、このようなIFRSの動きは日ごろからしっかり把握し、その内容や意味を理解しておく必要がある。それはなぜか。次ページ以降で説明していこう。

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