クラウドのスピードに疲弊するIT部門

 多くの企業が取り組むデジタルトランスフォーメーション(DX)において、クラウドが重要な役割を果たしていることは間違いない。新しいサービスによって、市場を破壊するほどのインパクトを与え、急成長を遂げているデジタル・ディスラプターのほとんどは、クラウドのメリットを最大限に活用している。

 デジタル・ディスラプターと競争していくには、当然、既存の企業もクラウドを有効活用していく必要がある。新サービスの開発基盤としてだけでなく、基幹システムにもクラウドを適用する企業が増えているのは、そのことを理解し、企業の体質そのものをデジタルに変えていこうという意識の表れだろう。

 しかし、既存の企業がクラウドを使いこなすのは容易ではない。課題の最たるものが、クラウドの運用・管理負荷の増大だ。

 例えば、クラウドサービスはアップデートの頻度が高く、新サービスや新機能も次々にリリースされる。代表的なクラウドサービスである「Amazon Web Services」(以下、AWS)の新サービスや機能拡張の提供件数は年間1000件以上ある。この進化に目を光らせ、タイムリーにキャッチアップし、システムを対応させたり、ビジネスに生かしたりしていくのは至難の業だ。

 加えて、近年はプライベートとパブリック、複数のパブリックなど、用途に応じて複数のクラウドを組み合わせたハイブリッドな環境を運用するのが当たり前になってきており、このことも各サービスの進化への追従をはじめ、運用・管理負荷を肥大化させている。

 そもそも、多くの企業が慢性的なIT人材不足という課題を抱えている現在、クラウドの運用・管理にIT人材のリソースが割かれてしまうと、本来、注力すべきDXやコア事業にIT人材のリソースを投入することが難しくなってしまう。企業がクラウドを活用し、DXによって、継続的に成長していくためには、このクラウドの運用・管理課題を解決する必要がある。

 では、一体、どんな方法があるのか。次ページ以降、それを考察していく。

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