テレワークでの生産性向上に向け、情報アクセスが課題

 新型コロナウイルスの影響を受け、政府からの緊急事態宣言の前後に多くの企業がテレワーク(在宅勤務)にシフトした。これにより「満員電車に乗らなくても、在宅で思ったより仕事ができた」「通勤時間を減らせた分、効率的に仕事ができた」といった声があがる一方で、デメリットも大きくクローズアップされた。それは生産性の低下である。実際、日本生産性本部の調査では効率が「下がった」とする声が約7割弱を占め、「上がった」はわずか3割ほどにとどまった。

 なぜこうしたことが起こるのか。それには様々な要因が考えられるが、その最たるものの1つが「必要な情報が見つからない/使えない」という問題だ。テレワーク環境からファイルサーバーなど社内のシステムにアクセスできないというのはその代表例だが、それ以外にも「ファイルサーバーにアクセスはできるが、資料を探してダウンロードするのに時間も手間もかかる」「社外からリモートデスクトップの機能を使ってオフィスのPCを遠隔操作で利用していて、レスポンスが遅く作業上のストレスが大きい」といったことを多くの人が体験しているのではないだろうか。

 こうした状況に拍車をかけているのが、「情報の格納場所」の複雑化だ。社内に複数あるファイルサーバーをはじめ社内システムのデータベース、BoxやMicrosoft 365(旧Microsoft Office 365)のSharePoint Onlineなどのクラウドストレージ、あるいは自身のローカルPCなど、どこにどのファイルを格納したのか、どこに最新の情報があるのかが分かりづらくなっているのだ。情報共有基盤のクラウド化は進めたものの、古い情報はオンプレミスのシステムに残っているといった企業もあるだろう。

 さらに注意すべきは、業務をこなすには多くの場合、複数のファイルを参照したり、編集・加工したりする必要があるという点だ。例えば、製造業の営業担当者なら、商品カタログや提案資料、顧客リスト、商談履歴資料などを参照しつつ、場合によっては製造工程で発生する商品の設計図面や仕様書、部品情報などを閲覧して業務を進めるというケースも考えられる。これらの資料を一つひとつリモートで探しつつ、「あった」「なかった」「1つ前のバージョンだった」といったことを繰り返していては、テレワークにおいて思うような生産性が得られないのも当然だろう。

 今後「アフターコロナ」「ウィズコロナ」の視点の中で、テレワークは大きな潮流として多くの企業に定着していくはずだ。その際に「あの資料がなくて仕事がはかどらない」といった事態を防ぐにはどうしたらよいのか。その仕組みについて、次ページ以降で紹介したい。

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