顧客体験を刷新するには、ERPの変革が不可欠

 「モノ売り」から「コト売り」へ――。製造業のビジネスモデル転換が、急速に進みつつある。

 米Salesforce社がグローバルで行った調査(※1)によれば、製造業の52%が「もはや製品で差異化できない」、71%が「長期的な顧客とのリレーションシップ実現に向けてこの先12~18カ月に新たなサービス投資を行う」と回答。製品・技術がコモディティ化する中、それらだけで競合差異化を図ることは難しい時代になっているのだ。

 差異化に向け、カギとなるのが「顧客体験」だ。製品購入前の対応から、製品・サービス自体の機能や性能、アフターサポートまで、すべての顧客接点で真に求める体験を提供する。それにはICTをフル活用することが欠かせない。製造現場のデジタル化、インテリジェンス化を目指す「第4次産業革命(Industry 4.0)」が、世界中で着々と進みつつある。

 一方、テクノロジーは単体で活用しても優れた顧客体験は生み出せない。注目したいのが、ERPなどの基幹系システムと、顧客接点を可視化・管理するCRMとを連携することである。

 ERPとCRMがつながれば、顧客への見積もり提出の際にERPが示す納期を併せて提示したり、CRM画面上でリアルタイムな在庫表示や引き当てを行ったりすることが可能になる。また、受注後の出荷状況の把握もリアルタイムで行えるようになるだろう。さらに、CRMに蓄積された顧客や商談の情報とERPの経営資源情報を一元管理することで、これまでにない知見を得ることができ、それをビジネス変革の推進力に変えていけるはずだ。

 このようなERPとCRMとの連携を実現するには、既存の重厚長大なERPを変革することが欠かせない。実は長年、ハードルが高いと思われてきたこの変革について、現在は新たなアプローチが登場し、注目を集めている。その内容と具体的な手順について、次ページ以降で見ていこう。

※1 「Research insights from nearly 300 manufacturing service leaders worldwide」

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