大きな変革を迫られているメディア業界の“今”

 現在、メディア業界は、大きな変革の潮流にいる。

 4K/8Kのテレビ放送をはじめとした、高画質化の期待とニーズはその1つ。モバイル通信も5Gの商用サービスが開始され、ストリーミング配信はますます大規模化する見込みだ。世界で同時に数千万人が“生”の迫力に酔いしれる。そんなコンサートやスポーツ中継も既に始まっている。

 デジタル放送への移行やIP配信の普及により「双方向」が一般化していることも大きい。コンテンツを観るだけでなく、意見や感想を投稿するなど、視聴者と共に番組を作り上げていく取り組みも広がりを見せている。

 もはやメディアビジネスの主導権はメディア事業者ではなく、視聴者にある。利用シーンやデバイスを選ばず、観たい時に観たいコンテンツをオンデマンドで視聴可能にする。定点カメラの映像だけでなく、自由にアングルを変えて臨場感を高める。新しい視聴体験でカスタマーエクスペリエンスを向上させる。今後は、ユーザーの期待に応えることがメディア企業には求められているといえるだろう。

 こうした時代をリードしていくためには、コンテンツの制作・配信体制の見直しが必要だ。ディズニーやNetflix(ネットフリックス)のように、自社で企画・制作したコンテンツを自社のチャネルで配信する「D2C(Direct to Consumer)」モデルで収益を拡大した企業もある。コンテンツの企画・制作から配信まで一括して行える体制の構築が急務である。

 こうした変革に欠かせないインフラがクラウドである。クラウドを利用すれば、コンテンツの制作・配信を支える設備やシステムに莫大な初期投資をすることなく、サービスとして利用できるからだ。AIによるコンテンツの分析、高画質化や大規模配信への対応、働き方改革、コスト低減、セキュリティ強化などを目指し、制作・配信環境をクラウド化するニーズが高まっている。

 クラウドの中でも、こうした変革の多くに活用されているのが「AWS(アマゾン ウェブ サービス)」である。既に先進的なメディア企業は、AWSを利用し、こうした変革の道を歩み始めている。次ページでは、米NFLやTBS、テレビ東京、共同通信社、CyberLDHなどが、AWSを活用し、どんな取り組みを推進しているのかについて紹介。デジタル時代に求められるメディア向けソリューションについて考察したい。

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